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3/1. 山口グランドホテルで鎮痛薬と心腎連関を考える会があり参加しました。山口県立総合医療センター循環器内科の池田安宏先生がその患者さんにNSAIDSを使って大丈夫ですか?という興味深い講演でした。心疾患のある患者さんにNSAIDSを長期使用すると弁の逆流があり心不全が生じ、NSAIDSをやめると速やかに良くなった例を提示されました。心不全とは、様々な原因により心臓の能力が低下して起こる不健全な状態で高齢化に伴って増加の一途をたどっているそうです。県立総合医療センター循環器内科でも年々増加しており、年間250人に上るそうです。NSAIDS はcox1,cox2を阻害して痛みを押さえますが、尿量減少や体液貯留などで心不全が生じてきます。心不全の性別は女性に多く、再入院率は48パーセントあり、75歳以上は予後が悪いそうです。慢性心不全患者さんの14パーセントがNSAIDS を内服しており、内科系のDrの処方が半数あったそうです。人工弁術後の運動器の痛みを押さえるためにNSAIDS 使用で感染性心内膜炎の発見が遅れた症例を紹介され勉強になりました。
2/15 レノファ山口開幕戦を観戦しました。スタジオはレノファサポーターの席は満員で盛り上がっていました。前半で2得点が入り、後半も2得点と開幕戦を勝利で飾ってくれました。この調子で突っ走ってくれることを大いに期待します。当院でスポーツ専門外来をされている宇部興産中央病院の森脇先生もレノファのチームドクターとしてトレーナーと一緒に選手のケガの際には走って出ていかれていかれる姿も拝見できました。

 
2/25 ノルディックウォーク指導者講習会の更新が阿知須地域交流センターであり参加しました。講師の山本先生から最新のノルディックポールは折り畳み式が出ていて旅行にでも持っていける優れモノでした。リスク管理や危機管理についても学ぶことが多く、実技講習ではスティックから手を放すタイミングや全身運動になるようにできるだけ手の後方への振りを意識するコツなども教えて頂きました。私も最近は西京24時間マラソン参加の練習の為ノルディックウォークよりランニングをやっていますがそれが終わったらまたノルディックウォークを再開したいと思います。
 
3/31に向けて拡張工事は順調に進んでいます。クリニック玄関前のペンキ塗りをKスタジオの山田君と現在リハビリ男子の長谷川君がやってくれました。どうもどうもサンキューです。

 
2/24 運動器疼痛カンファレンスが山口グランドホテルであり、寝屋川ひかり病院の習田先生の疼痛治療のパラダイムシフト サインバルタ400例からの提言を拝聴しました。
座長の山口済生会総合病院整形外科岸本先生の恒例の演者紹介から始まりました。サインバルタの効く理由、投与のタイミング、などをお話しされました。サインバルタを処方数が200例に増加することで副作用が増加したそうで原因としてラポールの形成が不十分であったそうですが400例になると副作用も減ってきたそうです。慢性疼痛の初期の段階で投与する(感作が進行する前に)と副作用が少ないそうです。急性疼痛が軽減したがADLの障害が出てきた方に処方することもポイントだそうです。サインバルタの副作用は悪心、口渇、傾眠が多いのですが痛みの改善があることを聞くと改善例があるそうです。患者さんの訴えは痛みよりどんなことに困っているか?を聞く必要があり、中・長期目標を設定することも必要だそうです。RDQ24をかいてもらうことでどんなADL障害が可能となったか?を知ることができます。従来の抗うつ薬として捉えるのではなく、下降性疼痛抑制系を賦活化する作用が大きいのでADL・QOL改善薬として投与するそうです。
サインバルタ単独投与の慢性腰痛の成績ではRDQ24では平均4改善したそうです。腰痛の持続や睡眠障害が最もよく改善され、6ヶ月投与することで24項目中14項目改善したそうです。変形性膝関節症での慢性膝痛では半数以上がJCOMが30以上改善したそうです。
その後の講師を囲んでの話でも本音を聞かせて頂き参考になりました。
2/17 山口県臨床整形外科の特別講演で山口大学整形外科田口敏彦教授の「脊椎外科ーこの四半世紀の進歩と今後の展望」を拝聴しました。田口教授は今年3月で退官されるので後輩として、脊椎外科を教えていただいた不肖の弟子として身を引き締めて聴きました。山口大学整形外科の4代目の教授としての歴史をお話しされました。頚椎前方固定術の博士号研究、頚椎前方固定術の20年以上の長期成績などを紹介されました。二代目服部教授から続いている山口大学整形外科の脊椎外科の歴史を述べられ、頸髄症の光弾性実験から服部分類ができましたが、その理論で説明できない手のしびれのメカニズムを髄節症状ではなく、索路症状であるということを動物実験、バイオメカニクス(有限要素法)の実験で脊髄灰白質が硬くて脆いということを証明されました。仮説を立ててそれを系統的に証明していかれたことは改めて感銘を受けました。バイオメカニクス、電気生理学的検査の脊髄誘発電位の分野では特に臨床にも非常に有用な論文を紹介され私も短期間ではありましたが田口教授のもとで脊椎外科に携われたことは貴重な経験でした。
最近クリニックのリハビリ室の横で工事が行われていることにお気づきの方もあると思いますが、実は3/31のリハビリ室の増設記念行事に向けて急ピッチで工事中です。もちまきもありますのでみなさん、ぜひお越しください。



介護支援専門員の実務研修に12月から3月半ばまで87時間の研修真っただ中です。雪にも負けず県内から300人以上の方が今頑張っているこの研修。 実際に居宅訪問や施設見学をして、地域の皆さんがどんな生活をして、それぞれの望む暮らしとは何かを学んでいます。
ケアマネさんの仕事は利用者さんと社会資源のまとめ役で内容は多岐にわたり本当に大変な仕事だと痛感しております。
今までずっと病院で勤務してきたので外の世界を知る事は本当に新鮮で大きな学びになります! パソコンに向かっていたはずなのに、そのままこたつで寝てしまう事もあり、仕事仲間や家族の協力も得ながら折り返し地点にきて気合が入ります。

3月11日の西京銀行6時間リレーマラソンにも挑戦します!院長率いる「チームとよた整形」完走目指して頑張ります。今年は挑戦の年だなぁ~    看護師古戸でした。

2/10東京で講習会の後にかけがえのない友人たちとの再会しました。山口大学ボート部(正式には漕艇部です)の同期です。S君は私と同じ漕ぎ手(rowyerといいます)で、O君は舵取り(coxといいます)です。当時の話で大いに盛り上がりましたが、よくそんな話覚えているなーという話まで話題は尽きませんでした。20年ぶりの再会でしたが青春時代にタイムスリップ出来て貴重な幸せなひと時でもありました。
日本体育協会公認スポーツドクター養成講習会応用科目3の二日目です。日本福祉大学の小林先生のアスレチックリハビリテーションを拝聴しました。通常のリハビリが日常生活への復帰を目標にしますがアスレチックリハビリテーションにおける到達目標は競技の禁止の判断と元の競技に完全復帰することです。外傷発生要因や主訴と動作の関係(スポーツ動作と位相特に動的アライメント)が重要で、下肢の外傷障害に関係するニーイン(片足スクワット、ジャンプ後着地時のニーイン)、動的アライメント、肩肘外傷障害に関係する肘さがりの投球、全身的な運動連鎖などチェックすることを教えて頂きました。アスレチックリハビリテーションで用いるのは物理療法、徒手療法、補装具療法、運動療法があります。スポーツ復帰にあたり競技種目特性を理解して、再発予防するリスクマネジメントも重要です。action →semi-reaction →reaction、リカバリー(疲労回復)についても教えて頂きました。
次いで神戸大学の黒田先生のスポーツ外傷障害の最新情報4 膝を拝聴しました。半月板損傷の診断には関節の腫れと関節裂隙の圧痛が特徴で徒手検査は感度が低いそうです。疑えばMRIを撮影しますが画像も100パーセントではないです。半月板切除後の復帰は最速で2カ月から半年かかることがあるという説明が必要です。外側半月板部分切除後に早期復帰させると軟骨が剥がれて水腫が続くことを注意されました。半月板切除後の変形性膝関節症になる可能性があるので半月板縫合術が望ましいが復帰に半年かかり、再手術率が切除術の5-10倍あり相談して決定する必要があります。離断性骨軟骨炎は成長期は成長期は保存的治療が第一選択ですが外側円板状半月板に合併することがありますが、円板状半月板部分切除術後に離断性骨軟骨炎が続発することもあるので注意して定期的観察する必要があるそうです。離断性骨軟骨炎の治療はドリリングによる骨髄刺激、モザイク処理プラスティー(骨軟骨柱移植)、ジャック(自家培養軟骨細胞移植)がありますが術後2年では成績に差がないそうですがスポーツ復帰率はモザイク93パーセント、ジャックは82パーセントでスポーツ復帰はモザイクが半年、ジャックが一年かかるので患者とよく相談する必要があります。膝蓋骨亜脱臼は10代女性に多く、Jサイン、MRIで骨挫傷の所見がありCTで関節内骨折などを確認します。初回脱臼の94-100パーセントで内側膝蓋大腿靭帯の損傷で骨軟骨損傷が34パーセントあるそうです。PCL(後十字靭帯)損傷は単独損傷では保存的が第一選択になりますが複合損傷の場合には手術(再建術)になります。ACL(前十字靭帯)損傷は外傷性関節血腫の60-70パーセントに合併し、ピボットシフトテスト陽性になります。手術して復帰率は82パーセントありますが以前と同じレベルまでの復帰は50パーセント未満だそうですので厳密な復帰プログラムが重要です。保存的では早期に変形性膝関節症になることが多くピボットシフトテスト陽性が20パーセントあるそうです。
順天堂大学の桜庭先生のスポーツ外傷障害の最新情報5 スポーツ選手の疲労骨折を拝聴しました。疲労骨折は女子長距離ランナーに多く発症しエネルギー摂取不足、無月経、骨粗鬆症に伴って生じる(女性アスリートの3徴)ことが多いです。実業団女子長距離ランナーの33パーセントに無月経があります。骨吸収、骨形成マーカーが高く高回転型の骨粗鬆症を呈している可能性があります。早期診断には骨シンチ、MRIが有用です。
午後から国際武道大学の山本先生のテーピング、ブレースを拝聴しました。山本先生はアスレチックトレーナーマスターだそうです。テーピング、プレースは応急処置や再発予防、外傷の予防に使用し、あくまでも補助用具で長所短所を理解して使用する必要があります。可動域を制限して痛みを軽減し、機能をサポートして不安を軽減する効果があります。テーピングは神経血行障害に注意する必要があります。運動の30-60分前に運動後30分以内に外し、試合の都度巻き直す必要があります。足関節内反捻挫後のテーピングは足関節の背屈底屈を制限せずに回内回外を制限する機能的なテーピングが必要です。ファンクショナルテーピングも紹介されました。
テーピングは伸縮性と非伸縮性があります。非伸縮性テープは13,19,20,25,38,50mmがあり、伸縮性テーピングは25,50,75mmがあります。アンカーが剥がれないようにビニルテープ、ロイコテープなどがあります。非伸縮性テーピングをアンカーのみ巻き他を伸縮性テープで巻くと背屈底屈を制限せずに内外反を制限できるそうです。他にもカバーロール、自着性バンデージなども紹介されました。
最後に帝京大学の山口先生のスポーツとアレルギー疾患を拝聴しました。サーファーがクラゲに刺されて感作されると納豆のネバネバで喘息、アナフィラキシーが誘発されるそうで興味深かったです。運動誘発喘息は小児喘息が半数以上で運動中の過換気で浸透圧の上昇で気道が収縮し、気道が再加温されて気道が閉塞することが原因です。日本ではアスリートの喘息有病率は15パーセントと言われています。(成人で5.4パーセント)予防としては運動30分前に気管支拡張薬の吸入と心肺機能の強化が必要です。ドーピングにかからないように吸入ステロイド薬、ベーター2刺激薬は申請が必要とのことでした。スポーツ用具、ウェアの素材や化学物質、テーピング、外用薬による接触性皮膚炎もあり、発汗と日光が原因物質の抗原性を高め重症例にはステロイド経口も投与されるそうです。食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIAn)という疾患があり、エビカニ、コムギ、ソバ、大豆、ブドウ、リンゴ、ピーナッツなど果物、タマゴアレルギーが運動でアナフィラキシーが誘発されて鎮痛剤や月経、身体精神的ストレスが増悪因子になるそうです。コムギと魚を食べて実はアニサキスが原因のことが多いことは初めて知り勉強になりました。治療の第1選択がアドレナリン(ボスミン)筋注であり、アナフィラキシーが起こったアスリートはエピペンを常備しておくことが必要だそうです。