運動器慢性疼痛マネジメントセミナー

6/1クリニック終了後にホテルニュータナカで運動器慢性疼痛マネジメントセミナーで実践、膝と腰の痛み治療 周術期の疼痛から慢性疼痛まで、を拝聴しました。講師はJCHO埼玉メディカルセンター副院長の児玉隆夫先生でした。人工関節が御専門で年間250例手術されています。術後の疼痛管理と嘔気対策が重要だそうです。痛みのマネジメントとしてmultimodal pain managementであり特に持続硬膜外注射が有用で関節包周囲ににアナペイン+ケナコルトを注射、アイシングなどを併用されて術後の疼痛管理をして早期リハビリを行うそうです。消炎鎮痛剤ではセレコキシブを術後当日から使用することも有用であったそうです。出血対策としてトラネキサム酸1000mg二回静注、短めの弾性包帯固定、CPMを術後3日後から開始するそうです。又手術当日朝からセレコキシブを投与することで術後の疼痛が軽減したそうです。又術後トラマドールも併用することで術後のリハビリ時の疼痛が軽減したそうで、様々な工夫をされていました。又術後の慢性疼痛対策は10パーセントに存在しますが、プレガバリン25mg二回投与することでは予防作用はなかったそうです。中枢感作のある患者さんにはサインバルタを使用されているそうです。521例の患者さんにサインバルタを投与した結果、19パーセントは副作用で中止されましたが41パーセントは軽快、3カ月投与後90パーセントは軽快したそうです。投与のコツは開始当初は毎週来院して副作用を確認して患者さんを不安にさせないことだそうです。

投与中止は6カ月を目安に斬減していくそうです。変形性膝関節症単独でもサインバルタの働きは著効が3割であったそうです。人工膝関節術後の疼痛増強にも慌てて再手術する前にサインバルタを投与することも推奨されました。慢性腰痛や臀部下肢痛にサインバルタが有用な症例を紹介されました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。