骨粗鬆症セミナー
2025/09/02
8/31骨粗鬆症セミナーがあり参加しました。香川県済生会病院の真柴副院長の「テリパラチドによる骨リモデリング刺激が骨質改善に果たす役割」を拝聴しました。皮質骨の中にも骨吸収と骨形成が生じておりリモデリングが生じています。骨吸収抑制剤は石灰化が亢進し皮質骨が硬くする効果がありますが長期投与でマイクロクラック(ダメージ)が蓄積される短所もあるとのことで骨形成促進薬に注目が集まっています。ロモソズマブはモデリングによる骨形成促進です。テリパラチドは骨形成と骨吸収が促進することで骨リモデリング効果による骨密度増加が期待できます。骨強度は骨密度7割骨質が3割です。テリパラチドの皮質骨多孔化が生じますが皮質骨前柱の幅が増加し強度は増加しているとのことでした。テリパラチドは骨微細損傷の修復も期待できるとのことでした。又動物実験では骨折治癒も促進するとのことでした。
次いで健愛記念病院池田聡副院長の「テリパラチドの骨質改善効果の考察~実臨床下での検証~」を拝聴しました。骨質には構造特性(多孔化など)と材質特性(石灰化、コラーゲンなど)がありテリパラチドは骨密度増加に加え骨質を高めます。骨形成促進薬と骨吸収抑制剤の比較試験では骨密度上昇と骨折抑制にテリパラチドが有意に高いデータを示されました。新規椎体骨折にテリパラチド週一回製剤と骨吸収抑制剤との前向き比較試験でテリパラチドの椎体圧壊度は骨密度に依存していなかったデータ、大腿骨内顆骨壊死に対してテリパラチドを使用しながら足底板併用して骨壊死治癒した症例を提示されました。テリパラチド投与に加えて踵落とし、ダイナミックフラミンゴ療法などを組み合わせることを提示されました。