3/19カリエンテ山口で旭化成骨粗鬆症セミナーをウェブで拝聴しました。沖本クリニックの沖本院長の「とりあえずではなく、有効かつ安全な骨粗鬆症治療を考える」の講演でした。ビタミンDはとりあえず使うという考えはしないように、骨吸収抑制剤と骨形成促進剤の使用方法も教えて頂きました。又骨折リスクに応じた治療薬選択に骨量減少にラロキシフェンかゾレドロン酸も推奨されるとのことでした。活性型ビタミンD内服する場合、テリパラチド投与の場合には高カルシウム血症に気をつける必要があります。ビスフォスフオネート製剤、ロモソズマブ、デノスマブはビタミンDは必ず補充すること、半年に1回カルシウムのチェックを行うように強調されました。ラロキシフェンは静脈血栓症のリスクを念頭において処方すること、ビスフォスフオネート製剤は腎障害、上部消化管障害、顎骨壊死などのリスクを考慮すること、デノスマブは長期使用可能ですが歯科紹介して医科歯科連携すること、3年以上使用した後ゾレドロン酸の点滴注射であれば骨密度低下を防げることなど教えて頂きました。
顎骨壊死は呉市レセプトデータを利用した研究の結果を教えて頂き、医科歯科連携が必要であることも教えて頂きました。既存椎体骨折患者の骨折予防効果が最も高いのが骨形成促進剤であるテリパラチド、アバロパラチド、ロモソズマブであり、テリパラチド、アバロパラチド、ロモソズマブは骨質を改善する効果が高いとのことでした。ロモソズマブは早期骨量が期待できるモデリング作用、テリパラチド、アバロパラチドはリモデリング作用で骨量増加を期待できるとのことでした。ロモソズマブは(特に一年以内の)脳血管、心血管リスクを考慮して使用すること、警告、禁忌に要注意することも教えて頂きました。(一例としてゾレドロン酸は腎障害に要注意)
最後に呉市の骨粗鬆症重症化予防プロジェクトの紹介で市と協力した取り組みにより骨粗鬆症治療が増加し椎体骨折が減少した取り組みも教えて頂きました。
2/6宇部市多世代ふれあいセンターで第2回宇部市医科歯科連携研究会に参加しました。松本歯科大学松本教授の「薬剤関連顎骨壊死のポジションペーパー2023の解説」がありました。顎骨壊死ポジションペーパー2023の詳しい解説として顎骨壊死の本態は骨壊死というより歯性感染症から波及した骨髄炎であることを強調されました。顎骨壊死の発生頻度は呉市などの論文からから0.1%であり台湾に次いで多いとのことでした。前回のポジションペーパーが骨吸収抑制剤使用中に抜歯する時に予防的休薬を推奨していたのが今回予防的休薬は原則不用であるということ、骨粗鬆症治療前あるいは治療後速やかに歯科紹介して医科歯科連携をする(口腔の感染源の除去)という2点が重要であるとのことでした。医科歯科連携を妨げる因子として情報共有の欠如、連携のキーマンの不在、患者教育(歯科医の減少)があり今後の検討課題であるとのことでした。
次いで大阪医科薬科大学口腔学植野教授の「薬剤関連顎骨壊死の病態と管理」を拝聴しました。重症化する顎骨壊死で自然発症(原因不明)が15%あるががんや糖尿病など全身状態が不良なケースが多いとのことでした。骨吸収抑制剤を使用変更することを歯科医に知らせるような医科歯科連携が重要とのことでした。
山口市でも骨粗鬆症病診連携協議会を立ち上げており今後の参考にしたいと思います。