院長ブログ

1/21痛み解放前線 頚部痛・リデファイン:新たな治療戦略のイノベーションをウェブで拝聴しました

最初に山口労災病院村上先生の当院における頚椎性疾患の手術加療の現状の講演があり山口労災病院での頸椎疾患の手術症例の提示がありました。

ついで特別講演として東京科学大学整形外科平井准教授の頸椎に関わる神経障害性疼痛管理を科学する 最新のエビデンス(MiroCens)を踏まえた治療戦略を拝聴しました。頸椎疾患に対する前方・後方手術の使い分け、頸椎症性神経根症が現代の生活様式で増えてきたこと、頸椎症性神経根症の保存的治療のランダム化試験の結果を報告されました。頸椎後縦靭帯骨化の手術で後方除圧固定術が選択される場合が多いのですが前方法と比較して局所後弯や脊髄前方圧迫の残存により長期成績が低下する傾向があるとのことで、前方除圧固定術で先生の大学で開発された骨化浮上術を紹介されました。前方法のデメリットで気道障害や脊髄髄液漏などの合併症があるので頚髄症でmodified-K-line4mm未満や後縦靱帯骨化症でK-lineマイナスの場合に前方法を選択されるとのことでした。しかしながら前方法は技術的に難しいのでナビゲーションを用いて顕微鏡に骨化をトレースするような技術も紹介されました。長時間スマホの影響で頸椎前弯が消失し(いわゆるスマホ首)頸椎前屈姿勢は神経根にも負担を生じやすいとのことで特に若年者の長時間スマホ使用には警鐘を鳴らす必要があるとのことでした。最後に頸椎症性神経根症の保存的治療のランダム化試験((MiroCens試験))について報告されました。142例中消炎鎮痛剤単独群より神経障害性疼痛治療薬(ミロガバリン)併用群で療効果の有意差があり、容量依存性に改善した結果を示されました。ミロガバリンは副作用として傾眠、めまいなどもあり事前説明と注意深い効果判定、経過観察が必要とのことも強調されました。

1/18カリエンテ山口で市民公開講座「わたしらしさを伝えるために〜今日からはじめる人生会議」があり参加しました。山口吉南地区地域ケア連絡会議在宅緩和ケア専門部会相川会長の挨拶の後、山口赤十字病院河野先生の「あなたの我がまま聞かせて下さい〜自分で決める自分の生き方」の講演がありました。わたしのノートとはアドバンスケアプランニング(人生会議:もしものときのためにあなたが望む医療やケアについて前もって考え家族やケアについて前もって考え、家族やケアチームと繰り返し話し合い、共有する取り組み)の中で自分の意思表示をまとめたノートで自分がこれからどう過ごしたいか、元気なうちに考えて、みんなで共有するというものです。高齢者が自分が重症になって意思表示ができなくなってからでは家族が迷い苦しむことになるのでなるべく多くの人と人生の終末期のことを話し、意思を共有することが理想的です。癌や予後の告知を拒否する家族、夫が帰りたくても妻が(これまでも介護の苦労したので)拒否、延命治療にこだわるケース、カリフォルニアから来た娘症候群(遠方から来た家族が意思決定を覆す)など様々なケースを紹介されました。欧米ではdo not resuscitate(延命治療しないでください)という入れ墨を入れている人もいるそうです。山口市と山口吉南地区地域ケア連絡会議在宅緩和ケア専門部会が一緒に作成したノートについて紹介され自治体の取り組みやわたしのノートを本人家族介護医療関係者も一緒に確認してその想いを医療につなぐことを強調されました。

次いで松井介護支援事務所内田先生のワークショップ「話してみよう。伝えておきたい大事な想い」がありました。家族に命に関わる状態は突然やってきますが、①最初にどう思ったか?②気がかりは何か?③気がかりを解決するにはどんな方法がありますか?に関して回答をワークシートに記載してディスカッションがありました。そのような際にあなたの大切にしたいことは何か?など最後まで望む生き方を叶えるために自分で治療とケアを選ぶことが、このわたしのノートに記載することで明確になるとのことでした。

続いて山口市消防本部田中主任の「高齢者救急対応の現状について」講演がありました。山口市の救急件数はコロナ後特に高齢者の救急搬送が増加しており救急車の台数に限りがあるため件数の増加は現場到着までの時間が延長してしまうのでタクシーがわりの利用、待ちたくないので呼ぶなどしないことなど適正利用を訴えられました。救急車を呼ぶか迷った場合には♯7119(成人)#8000 (小児)の利用やアプリ(Q助)を紹介されました。家族の容態が急変した時にACP(アドバンスケアプランニング)において心配蘇生を望まない意思決定が確認した場合救急隊はかかりつけ医に連絡を取る必要があり、心配蘇生中止の指示があってもかかりつけ医が自宅に来れない場合には医療機関に搬送する必要があるとのことでした。

最後に高齢福祉課の竹重主任の「元気な今こそ、家族で話そうもしものこと~安心につながる人生会議のすすめ~」がありました。山口市のすこやか長寿アンケート調査でもしものときのことを家族で話し合った方は約3割で、延命治療を望まない人は約7-8割であるデータを示されました。年齢に関係なくもしものときは急に訪れる可能性があるのでまずは自分自身で考え、大切な人と日頃から話しておくよう啓蒙されました。

1/15防府グランドホテルで周防国整形外科フォーラムが開催され参加しました。山口大学整形外科坂井教授のコンピュータ支援技術を使用した股関節手術と疼痛管理~機能評価を含めて~を拝聴しました。先生が取り組まれているコンピュータ支援技術(CAOS)・カスタムメイド人工関節に関する研究を解説されました。特に人工股関節は患者満足度が高い手術です。大腿骨側にセメントを使う場合と使わない(セメントレス)ケースがありセメントレスでは3Dポーラスが有名です。カスタムメイドステムはCTで解析して作成しますがゆるみなどが少なかったですがコスト面で製造中止になりました。変わって出たのが3次元積層造形法で電子ビームもありますが最近ではレーザーによるものが主流とのことです。人工股関節の再置換用インプラントも積層造形で作成可能とのことでしたが製造コストがかかる問題があるとのことでした。次いで人工股関節置換術後に動作制限はアンケート結果では前方法より後方法の方がしない先生が多いことも教えて頂きました。術後脱臼を予防する為にCTナビゲーションを使用して精度は2-3%で脱臼率も明らかに低いとのことでした。ロボット手術は大腿骨側の掘削の精度を上げ、寛骨臼の位置もより正確に設置できます。最後に表面置換型人工股関節の解説もされスポーツ復帰には優位ですが長期成績も良好ですが問題点も教えて頂きました。人工股関節を使用しない寛骨臼回転骨切術でもCTガイド下ナビゲーションを使用され精度の高い手術を教えて頂きました。術後の機能評価でForgotton joint scoreを紹介され山口大学整形外科の研究結果を紹介されました。

NHK大河ドラマ「豊臣兄弟」を観ました。豊臣秀吉の弟の秀長が主人公で以前堺屋太一氏の「豊臣秀長 ある補佐役の生涯」を以前オーディブルで聴いていたので楽しみにしていましたが仲野太一演じる秀長も良かったですし、織田信長役の小栗旬が堂に入った演技が見事でした。秀長の名前が小一郎と言って私の名前(こういちろう)と一字違いなのでつい自分のことのように感じてしまいます…

今後の展開が楽しみです。

https://www.nhk.jp/g/ts/P52L88MYXY/blog/bl/pwWYoeNnb2/bp/ppGJxWWORK/

2026年あけましておめでとうございます。とよた整形外科クリニックでは昨年木曜を休診とさせていただき患者さんにはご迷惑をおかけしました。スタッフと一丸となりに今年も診療させていただきますのでどうかよろおしくお願い申し上げます。新年は1/5からです。

12/27診療最終日が終わって夕方 クリニックの忘年会を行いました。チャイニーズキッチンTAKAさんで中華料理を食べながらスタッフと今年一年を振り返り、ビンゴゲームではなくチーム対抗クイズゲームで盛り上がりました。

12/28周南美術博物館でやなせたかし展最終日に観に行きました。多くの子どもづれで混雑していましたが、アンパンマン以外に三越の紙袋のデザインや詩とメルヘンの挿絵や詩も素晴らしくやなせさんの才能と人柄を感じました。

12/20 第10回山口中央OLS研究会がウェブであり座長として参加しました。講師はかわさき整形外科リウマチクリニックの林綾野先生で「ゼロから始める骨粗鬆症治療〜メディカルスタッフ編〜」を拝聴しました。横浜市東部病院での骨粗鬆症治療に関する薬物テンプレートによる禁忌回避、放射線技師によるCT画像での脊椎圧迫骨折の病出を整形外科医と連携する、栄養士によるカルシウム自己チェック表、看護師による問診から骨粗鬆症リスクのある患者さんのピックアップ、骨粗鬆症治療薬(特に骨形成促進薬)の導入に対する工夫として患者さんの自己決定によりアドピアランスの向上が期待できる、治療効果の後に副作用も伝える(ポジティブからネガティブ)ことで受け入れやすいとのことでした。自己注射薬では連日製剤より週二回製剤が受け入れられやすいとのデータもあるとのことでした。継続率を上げるための工夫としてYAM値のみに注目するのではなく骨代謝マーカーにも注目すること、継続することに対する賞賛、価値観、目標を治療と一致させる、チーム連携(多職種でサポート)、患者さんへの声掛けと観察などの重要性を教えて頂きました。神奈川県の骨粗鬆症検診率0.5%という低さ(山口県3.8%)から神奈川県骨を守る会の取り組みも紹介されました。

次いでかわさき整形外科・リウマチクリニックの武田院長の「ゼロから始める骨粗鬆症治療~医師編~」を拝聴しました。先生の前任の横浜東部病院での骨粗鬆症性骨折における骨粗鬆症治療介入率を1割から8割に増加したご経験には感心しました。橈骨遠位端骨折から始まることの多いのでお知らせ骨折であること、脊椎骨折はいつのまにか骨折が多い、差し迫った骨折のリスクがある方にはゴールを目指した治療として3年でYAM70%以上を目指すことが理想的です。骨形成促進剤はテリパラチド、アバロパラチド、ロモソズマブがあり椎体骨折、非椎体骨折にも骨折予防効果にエビデンスがあります。骨粗鬆症診断には骨密度測定が必要で特にDEXAでの検査が有用です。骨質の指標としてTBSを利用して骨折リスクが高い方の抽出に有用、慢性腎疾患で腎機能低下例にも工夫して投与、治療介入、中断防止、継続には看護師との役割分担が必要とのことでした。OLS継続のポイントとしてできることからやる、ひとの時間を削らない、チームのビジョンを明確にする、根回しをする、スタッフの収益への意識、持続可能な体制などを教えて頂きました。

痛みを考える会イン吉南がKDDI維新ホールであり参加しました。講師は小郡第一病院整形外科米村先生が「慢性疼痛を来す腰椎疾患についてー神経障害性疼痛を中心に」を拝聴しました。痛みの分類(急性、慢性、侵害受容性・神経障害性・痛覚変調性)、疫学、慢性疼痛のメカニズム、腰椎疾患での神経障害性疼痛の中でも代表的な腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアの症状、治療(投薬、ブロック、手術)について解説をして頂きました。

次いで山口大学整形外科西田講師で「山口大学脊椎脊髄外科外来 症例紹介からみる鑑別疾患と疼痛アプローチ」を拝聴しました。診断に悩む症例について提示されました。感染性心内膜炎による化膿性脊椎炎、第1/2腰椎椎間板ヘルニアの脱出例(腫瘍との鑑別)も勉強になりました。神経障害性疼痛の症状(特に自覚的なしびれ)、問診での質問のコツ、画像診断、頚髄症の画像診断(dynamic canal stenosis,不安定性2mm以上、椎間可動性10度以上で手術適応)、手術適応(高齢者では10秒テストが以前20回以下と言われていたが最近は18回以下)、手術術式(山口大学服部式など)を詳細に教えて頂きました。又頚椎神経根症の診断、保存的治療(Miro-Cens studyによるミロガバリンの治療有効例の紹介、頚椎症性筋萎縮症の特徴として回外筋筋力低下、デュロキセチンによる尿閉)、神経内科的疾患(筋萎縮性側索硬化症、CIDP)など脊椎外科医ならではの視点で教えて頂きました。

12/11 月1回の勉強会の日にミーティング後に年末恒例のクリニックの大掃除をしました。年末恒例ですが4月から木曜日が休診となり、月1回勉強会を行うことで院内の問題点や伝達事項を共有できたことは貴重でした。今年も残り半月ですがスタッフと一緒に頑張っていきます。