院長ブログ – ページ 82

最近スタッフブログに皆が頻繁にアップしてくれるので嬉しい限りですが、負けておれない!と頑張って院長ブログも更新していきます。最近購入したガリットチュウ福島氏の「哀愁」を紹介します。最近インスタグラムでモノマネで話題でしたがこちらは前半が女子高生に扮した福島氏が真面目に演じており、だんだん彼が女子高生に見えてくるから不思議です。又高校の卒業アルバムの生徒全員の写真が福島氏のモノマネからなら、この発想にも敬服します。芸能人もモノマネも非常に特徴を捉えているので見ていて飽きません。熊本県天草出身で同郷ですので応援したいです。
 

11/3,4で博多でマッケンジーパートAがあり参加しました。4日間あるのですが後半の二日間講師の前川先生のお手伝いということで中田さんも一緒でした。パートAで腰椎のコースですが毎回講義内容がブラシュアップされており勉強になります。患者さんのデモンストレーションと実技もしっかり復習することができます。痛みのタイプ分類、侵害受容器を活性化させるのはケミカルな化学物質(炎症)、メカニカルな力学的負荷(ある方向への動作で痛みの中枢化や痛みの改善が起きる)、温度があります。マッケンジー法はメカニカルな痛みに効果が期待できる方法です。スポーツ外傷での応急処置で最近ではPOLICE (protection,optimal  loading,icing,compression,elevation)ということが言われており、腰椎の日内変動(diurnal change)も新鮮でした。腰痛患者さんのデモンストレーションでも問診でしっかりベースラインを取ることの重要性を再認識しました。force progressionは弱い負荷から始めて必要がなければ負荷を上げないことがポイントで、頻度を上げることと時間を増やすこと、自動負荷→患者自身のoverpressure→セラピストのoverpressure→ mobilization→manupulationの順に負荷を上げること、force alternativeは荷重下、非荷重下、反復負荷、姿勢保持、複数方向の組み合わせ、方向の変更があります。

dysfunction syndrome は制限されている最終域で痛み誘発、誘発された痛みは10分以上残さない、エクササイズで誘発される痛みは患者の主訴と同じもの、改善は4-6週、完治にはそれ以上かかる。ANR 神経根癒着 

神経根症、手術の既往、現在改善していない、一貫した症状、間欠的、痛みは持続しない  FISで誘発される、FILではでない、EISでは誘発されない。FIL→FISit→Increasing knee extension→FIStand→FISS(flexion in step standing)屈曲の後は伸展を行う(逆方向の刺激を与える)。痛みが持続的になったら強度や負荷量を落とし、頻度は減らさない

derangement は4段階で整復する。(DP方向への適切なエクササイズ、エンドレンジまで、Force progrresion)→維持(適切なエクササイズの継続、症状を悪化させる動作・姿勢を避ける、姿勢の矯正、維持)→機能回復(可動域が完全に回復し痛みなし、負荷を加えても腰の正中の痛みが消失しないことを確認してからEIL→反復屈曲→EIL、日常生活に制限、不安なし)→再発予防(同一姿勢取らない、ランバーロール、再発しそうになれば直ちに整復エクササイズ)。急性後弯変形はまず腹臥位で枕入れて徐々に枕を抜いてフラットな腹臥位にしてEILを徐々に行う。起き上がる時に腰椎前弯を保つ。患者教育でマネジメントの責任は患者自身が取る。

急性前弯増強変形のマネジメントは臥位屈曲から開始、腰椎前弯を増強しない姿勢(フラット)を保つ。シフトがないのに側方負荷の必要性を判断するのは、片側左右非対称の症状、横方向の動きで左右差、矢状面の負荷で良い反応が得られない、側方負荷で良い反応がある(better,centralized,ROM↑、function↑)ことである。EILで良い反応が得られない時にhip off centerで試してみる。それから又EILをする。フォローアップの評価は最も遠位の症状、変化、メカニカルな所見、制限されている機能を評価する。まずエクササイズを行なっているか、頻度と回数、総合結果、エクササイズの反応、フォーム、姿勢、エクササイズと姿勢の重要性を理解しているかを確認する。

再発予防は再発をゼロにするのではなく再発しても患者自身の意思でうまく対処できるように教育することが重要であるとのことでした。定期的なエクササイズ、常に姿勢を気をつける、頻繁に姿勢を変える。自分で対処できなければ受診してもらう。

二日間しっかり勉強してきます!


 
広島市で開催された山口大学主催の慢性疼痛診療研修会にクリニックスタッフと参加しました。
慢性疼痛についての基礎から臨床、治療など幅広い内容を凝縮して講師の先生方が教えてくれました。
慢性疼痛患者さんの特徴として原因探し、 痛みの原因が知りたい、、ペーシングできない、0か100の理論があり、
仙波道子先生は慢性疼痛は生活習慣病 であるともいわれているそうで
痛みの問診 評価で患者の特性個性を理解すること、キーパーソンを明確にすること、身体初見改善を見える化する、
他者の立場に立てるようになれることの重要性をお話しされました。
診察時の情報認識における問題、非注意性盲目、認知的固着、診断エラーに陥る認知バイアスなどもあること、
薬剤でアセトアミノフェンは中枢性に作用し下行性疼痛抑制系で脊髄こうかくのTRPV1受容体に作用する、
オピオイドは二次ニューロンの興奮抑制し、1次ニューロンからの神経伝達物質の分泌抑制する、
慢性疼痛の薬物療法では侵害受容性疼痛 にはアセトアミノフェン オピオイド、神経障害性疼痛 アミノトリプチン、デュロキセチン、プレガバリンが選択されること、
慢性痛を診る際には痛み以外の視点が必要であること、
痛みの問診は日常生活支障度 心理面への影響、気分感情の問診、家族構成、生育歴、学歴 職歴 補償 睡眠 食欲、治療への期待なども重要である、疼痛患者さんとのコミュニケーションを考えるときに、
慢性疼痛患者の心理状態を考える際に症状に対する不安
将来に対する不安、破局的思考 反芻 拡大視 無料感 落ち込み 怒り(70パーセント)恐怖(対象が明確)などがあること、
慢性疼痛の治療方針で患者のニーズとして 痛みを無くしたい 原因を知りたい  施しの治療があり
医療者側.、除痛は困難、原因が見つからない場合もあることを認識することは重要である、
慢性疼痛における運動療法では歩行 普段より10分多く歩く、とにかく動く、心感、保証を与える、やればやるほどいいわけではない、
中枢感作があると教育と段階的活動、痛みの出ない運動 から痛くなるが耐えうるギリギリの運動、受動的治療が最小限にとどめることなど教えて頂きました。終わってから皆でおこのみやきのみっちゃんに行きました。


 
10/20山口グランドホテルで臨床整形外科医会の講演会があり参加しました。最初は徳山中央病院歯科口腔外科の村木先生の骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の現状と予防に関する山口県内での取り組みを拝聴しました。医科歯科間の相互理解を目的にお話しされました。骨吸収抑制薬は骨折予防に有用ですが2003年にBROJと提唱されてから注目されていますがかん患者の骨転移の治療としての骨吸収抑制薬で生じる例が多いのですが最近では骨粗鬆症の治療薬での発症も多いとのことでした。義歯(入れ歯)の刺激で生じるものもあります。上顎にできた顎骨壊死は副鼻腔炎を伴うことが多いそうです。骨吸収抑制薬を飲みたくないという患者さんに対しては本人に治療再開の説得をされるそうです。皮膚に瘻孔ができる例や腫瘍と鑑別が必要な症例なども提示されました。高気圧酸素療法を併用することもあるそうです。提示された症例はビスホスフォネート製剤の五年という長期使用で口腔ケアをしていない例であり、口腔ケアを受けていたら防げたのではないか?という印象を受けましたのでやはり投与後早期から歯科との連携を痛感しました。歯科口腔外科学会の報告での顎骨壊死の発生数と骨粗鬆症学会監修の発生数に乖離があり医科側も顎骨壊死の認識を持つこと、抜歯の時に休薬することで抜歯後の治癒率が上がる可能性もお話しされました。8020(80才で自分の歯が20本)達成が全国的には50パーセントでしたが山口県では30パーセントぐらいだそうです。山口県内での歯科へのアンケートで歯科医師が骨吸収抑制薬を把握していない率も高いので先生達の取り組みでお薬手帳で目立つシールを貼ること、歯科開業医向け抜歯マニュアルなどの取り組みを紹介されました。最後に医科ではビスホスフォネート製剤の投与開始前に口腔管理の重要性を必ず説明してほしいことを強調されて終了されました。
次いで沖本クリニックの沖本先生のスポーツやリハビリを含めた運動と栄養を柱に骨粗鬆症をいかに予防・治療するかについて拝聴しました。骨粗鬆症は続発性は低代謝回転型が多く、若い方は高代謝回転型が多いそうです。加齢とともに骨量が減少する多くは皮質骨で見られ皮質骨に穴が開く多孔性が生じることがわかりました。皮質骨に効く薬はデノスマブとビスホスフォネート製剤だそうです。テリパラチドはデイリーは特に二年使用すると皮質骨の多孔化が生じることがわかってきたそうです。デノスマブはオーバシュートというリバウンドが生じることがわかってきました。日本でもデノスマブでオーバシュートで多発脊椎骨折が生じた報告があり注意が必要とのことでした。呉市のレセプトデータで骨粗鬆症で顎骨壊死がビスホスフォネート製剤使用例で0.29パーセントであったそうです。又呉市でも骨粗鬆症医科歯科連携の取り組みと行政も巻き込んだ歯のパノラマ撮影の取り組みも紹介されました。
ビタミンDは20my/ml未満が不足、20-30で低下ですが、日本のデータでは50パーセントが不足です。ビタミンD不足は長管骨骨折の危険因子だそうです。転倒予防効果、死亡率の低下効果もあるそうです。宇宙飛行士が骨密度の低下することは有名ですが宇宙から帰ってからも回復が遅いそうですが予防としてビスホスフォネート製剤が使用されるそうです。運動による効果はジャンプスクワットなどで骨に刺激があるほど骨皮質の外側が太くなるのでジャンプ系の運動は特に有用だそうです。閉経後にSERM製剤を使用すると予防的効果が高いそうです。
10/18クリニック終了後浜田市で講演がありました。20年以上前に浜田医療センターの前身である国立浜田病院に三年勤務していたのがご縁で呼んで頂いたものと光栄と思いました。早めに到着したので浜田医療センターを見学に行きましたが濱田駅と直通でアクセスがよいのに感心しました。さて講演ですが最初に島根県立中央病院整形外科の松崎先生の骨粗鬆症性脊椎骨折の診断と治療の進歩という講演がありました。松崎先生も国立浜田病院の時に勤務され、以前から親しくさせていただきましたので感ひとしおでした。
腰曲がりの人の約6割に椎体骨折があるというデータを提示されました。椎体骨折の早期X線撮影での分類と予後不良例、MRIでの寒竹分類での予後不良例について教えていただきました。椎体骨折でのコルセットは硬性コルセットの方が軟性コルセットより成績が良いというデータが今後出る可能性を示唆されました。手術的治療の経皮的バルーン椎体形成術(BKP)、椎体骨切術の症例提示もされました。椎体骨折に対しては骨形成促進剤であるテリパラチドが適応が高く痛みの緩和と骨癒合に寄与します。骨粗鬆症リエゾンサービスのお話しがあり骨折の再発、最近ではヒップアタックと言われますがその予防の為にチーム医療で行うことの重要性についてお話しされました。私は慢性腰痛と変形性膝関節症におけるデュロキセチンの臨床経験ー慢性疼痛治療ガイドラインを含めてーという講演をしました。わかりやすいように努めました。
終わって座長の沖田整形外科院長、浜田医療センターの柿丸部長、演者二人を交えてお話しさせて頂き昔の懐かしい話から近況などが聞けて楽しかったです。


10/13ラグビードクターセミナーイン山口が山口グランドホテルでありました。さっか整形外科クリニックの目院長の変形性膝関節症における貼付剤の使い方のミニレクチャーがありました。
次いで村上外科医院整形外科の村上院長先生のスポーツ現場におけるピッチサイドケアという講演を拝聴しました。村上先生はラグビー日本代表のチームドクター経験もあり、スーパーラグビーのサンウルブズのチームドクターもされており、スポーツドクターとしてのご経験も豊富です。Imediate Care In Sports(ICIS)レベル3をお持ちです。2015年ラグビー日本代表が南アフリカに勝ったことを契機にサンウルブズのチームドクターを務められた経緯もお話しされました。最初に2011メディカルサポートについてお話しされました。メディカルケアでは疾病傷害予防としてGPS、ハートレートモニターを選手に装着してトレーニングによるオーバーユースを防止し、コンディションセルフチェックをスマホのアプリで選手が入力するそうです。マスク着用や手洗いも徹底し、深部静脈血栓症予防で尿比重をチェックしたり、着圧ソックスも移動の飛行機の中で装着するそうです。傷害に対する早期診断、早期治療として傷害発生した時のプレー可否の判断(決断)し、MRIの予約をするそうです。蜂窩織炎や陥入爪の処置や歯牙損傷の処置など多岐にわたるそうです。ラグビー競技の特徴として外傷が発生しても競技は中断しないことがあり、試合中にドクターが競技場に入ることが許されます。脱水予防としての水分補給は点滴は50ml以上できないことから経口補水剤を適時するそうです。ドーピングは夜中にある場合もあり採尿するために水分補給したら夜眠れなくなったりするそうで、ドーピング対策には非常に神経を使われるそうです。又セルフコンディショニングが重要視し、自分でケアする習慣をつける意識を持たせるそうです。次いで脳震盪についてお話しされました。意識消失があるのは脳震盪の10パーセント以下だそうです。高校レベルでは脳震盪疑いがあれば硬膜外・下血腫の可能性が否定できないためやめさせるそうです。脳震盪を繰り返す場合セカンドインパクト症候群や慢性外傷性脳損傷の問題があり、NFLでの実話を映画化したConcussionという作品をお勧めされました。脳震盪予防ツールのSCAT5や段階的競技復帰のプロトコールがあります。脳震盪を見つけて為にホークアイというカメラが6台ありチェックしているそうです。選手の安全・健康・福祉をどう守るか?医師、監督、コーチが意識を共有する必要があるとのことでした。ラグビーでの重症外傷で頚髄損傷が22件あったそうです。スポーツでの突然死で野球が多いそうで心臓震盪が原因のことがあるそうですので現場では心肺蘇生とAEDのトレーニングは必須だそうです。日本で開催される2019ラグビーワールドカップがあるので是非皆で観に行きましょう。という熱いメッセージで終了しました。

10/14周南総合庁舎で骨と関節の日記念行事に参加しました。
午前中は肘のエコー、骨粗鬆症超音波検診とヨガがありましたが、私は検査後の説明を担当しました。
午後から特別講演で山口労災病院の田口院長のロゴモティブシンドロームと体の痛みについて拝聴しました。ロコモティブシンドロームは高齢化によってバランス能力などが低下した状態であり、現在では48パーセントの認知率ですが不安度はもっと多いそうです。
ロコモは未病と病気の状態を含みます。骨粗鬆症、腰部脊柱管狭窄症、変形性膝関節症があり、加齢と共に増加しています。骨粗鬆症は死亡に直結する疾患で、変形性膝関節症は男女共50パーセント前後です。
腰部脊柱管狭窄症は2,000万人以上罹患しています。各疾患について解説して頂きました。



3連休が続きましたが私はこの連休は土日はKスタジオでしっかり運動して汗を流し、月曜は一人で温泉に行ってリフレッシュしました。こんなゆっくりした時間もいいですね。週明けから現実に戻りましたがやはり気分転換は必要であると認識できる週末でした。
山口セミナーパークで山口実践フットケア研究会の実技研修会があり、参加しました。足のナースステーションHigh Five代表の井上祐子先生の訪問看護、老人施設における足トラブルの実態と課題〜連携と解決への模索〜の講演がありました。医療依存度の高い方々の治療は医療機関で治し、施す治療である問題解決型思考であり、支え、寄り添う医療が在宅介護であるとのことで、看護の役割としてはケアマネジメントだそうです。井上先生は独立して訪問看護やフットケアサロンもされています。透析治療を受ける患者さんの場合、在宅医の診療は透析を離脱する場合でないとできませんが、訪問看護の介入は可能だそうです。訪問看護としてのフットケアを介入するタイミングとしては医師の指示のもと、足の病変があり、急性増悪があるときや足の処置が必要な場合などです。訪問看護のフットケアの流れはバイタルサインのチェック、フィジカルアセスメント後にビニール泡洗浄にて保清や爪、タコやウオノメの処置、保湿、マッサージやアーチパッドの活用もされています。介護施設での問題点としては緊急性のある足病変を早期発見する教育、システムがないこと、慢性創傷に対する評価が記録されてなかったり、衛生材料の管理が不十分であることなど指摘されました。次いで在宅・施設で抱えている足トラブルへの対応を実情に照らして考えるという内容で相談タイムがあり勉強になりました。また山口済生会病院のフットケア外来をされている廣中先生の周辺の病院との連携や患者訪問などの取組も発表されていました。会の後井上先生にご挨拶して帰宅しました。
9/27ホテルニュータナカで山口中央骨粗鬆症学術講演会があり、歯科と医科を代表して二人の先生が講演されました。徳山中央病院歯科口腔外科の村木先生が骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の現状と予防に関する山口県内での新たな取り組みという講演があり拝聴しました。BRONJを報告されてから額骨壊死という言葉が有名になりました。全国的には約40000例あるそうで、最近は増加しているそうで、抜歯後に治癒しないことで発見されることが半数でした。実際には癌の骨転移の治療としてのゾレドロン酸の注射薬発生例で重篤例が多いのが事実ですが骨粗鬆症治療薬のビスフォスフォネート製剤でも抜歯後に中々治らない例があり、骨の破壊を伴っていると治療に時間がかかるそうです。CTでは腐骨があり慢性骨髄炎の所見を呈しており、抜歯後は創を開放して約1-2ヶ月で上皮化してくるそうです。難治性の場合は高圧酸素治療も併用されるそうです。学会でも新しいポジションペーパーが出てから医科歯科の間で認識が広まって来ました。基本的にはビスフォスフォネート製剤は休薬しないそうですが、医科の先生も口内の衛生面に注意してほしいこともお願いとして述べられました。山口県での歯科医へのアンケートではビスフォスフォネート製剤投与で創の治りにくい例の経験が半数あったそうです。ビスフォスフォネート製剤が長期化する場合には額骨のレントゲン撮影で骨硬化像には注意が必要とのことでした。又ハイリスクの症例に限って歯科医が医師に休薬の申し出をすることも必要であることもお話しされて納得できました。又骨吸収抑制剤使用シールを薬手帳に貼るような徳山中央病院での取り組みも紹介されました。
次いで健愛記念病院整形外科の池田聡先生の骨折連鎖を断つためには地域医療連携の構築が鍵〜医科歯科連携を含めて〜の講演を拝聴しました。先生は日本骨粗鬆症学会でもご活躍で福岡県那珂郡の医科歯科連携を実践されたパイオニアです。高齢社会において要介護の原因で認知症と骨折・転倒が多いのですが骨折・転倒の予防できる手段として骨粗鬆症治療が重要になります。骨強度は骨密度7割、骨質3割からなり、50代の時期の手首の骨折を初発として骨粗鬆症性骨折が連鎖して脊椎骨折、大腿骨近位部骨折が生じるので初発の骨折から骨密度を検査して骨粗鬆症治療が重要と言われます。最近では大腿骨近位部骨折をhip attackと言われています。骨折した患者さんが骨粗鬆症治療していても途中で中断されることをcare gapというそうで、治療を中断しないためには骨粗鬆症治療を医師のみではなく看護師、理学療法士、薬剤師などがチームで治療することが重要でこれを骨粗鬆症リエゾンサービスといいます。骨密度は部位で異なることがあるので最も正確な検査はDEXAによる骨密度です。健愛記念病院では病診連携でDEXA を検査され必ず次の予約も取る工夫をされているそうです。骨粗鬆症治療における薬剤の種類と使い分けも説明して頂き、治療のモニターとしての検査の意義を教えて頂きました。骨親和性が高いビスフォスフォネート製剤の方が顎骨壊死のリスクをより軽減する可能性をお話しされました。顎骨壊死については歯科で抜いてもらえないと言われる顎骨壊死難民と言われるそうです。最近高齢者で歯が残っている方が多くなる一方で歯周病を有する方も増加しているそうです。ビスフォスフォネート製剤投与4年以上で顎骨壊死発生率が0.05から0.2パーセントに増加するそうです。新しいポジションペーパーのお話しもあり、歯科から休薬依頼のあった薬剤がビスフォスフォネート製剤以外であったのが30パーセントだそうです。先生が取られたアンケートで歯科で顎骨壊死が25パーセント経験されたそうです。又ビスフォスフォネート製剤の休薬した後に骨密度が下がった症例も提示され、歯科との連携が重要であることを強調され、骨粗鬆症連携手帳の紹介をされました。私も質問しましたが総入れ歯の方の顎骨壊死のリスクを聞きましたが、村木先生からの回答は総入れ歯でもがたつきや合わない場合はリスクは同じとのことですので総入れ歯の方にも自信を持って歯科に行くようお勧めしたいと思います。他にも活発な意見交換があり大変勉強になりました。