7/12香川大学整形外科の真柴准教授の「テリパラチドの生理的な骨形成促進によって期待できること」のウェブ講演を拝聴しました。私は座長をさせてもらいましたが演者がウェブで繋がっていてその場にいないということで戸惑いました。ロモソズマブで骨形成と骨吸収が同時におこるとされていますが、骨吸収が先行する骨リモデリングは存在しないとのことで、骨形成マーカーの経年作用からテリパラチドは骨形成促進が先行するので骨のリモデリングが期待できる薬剤であるとのことでした。骨のモデリングは骨の成長や自家矯正などですが、テリパラチドによる骨量増加の機序は骨形成と骨吸収が促進することでリモデリングが促進します。又新規椎体骨折発生を最も抑制し、骨量の回復、骨リモデリングの回復、骨質の改善が期待できます。テリパラチドは古い骨の中に新しい骨を作る働きがあり、AGE架橋パターンの改善を期待できます。デイリーテリパラチドの皮質骨の多孔化が問題になりますが先生の動物実験の結果でも多孔化は逆に骨代謝が亢進しているということで力学的に問題はないというで、多孔化が骨髄の近く(骨皮質の内側)にできるので強度的には問題なく新陳代謝が亢進していることを示しているそうです。又研究結果からテリパラチドは大腿骨皮質骨の厚みも増加するので脊椎骨折のみでなく、大腿骨近位部骨折抑制も抑制する論文も紹介され、脊椎前柱の皮質骨も増加させることも示していただきました。又テリパラチドはメカノスタットの閾値を下げて骨に負荷が加わっていることを錯覚させ骨強度を上げる効果も紹介されました。