整形外科痛みを語る会に参加しました

7/20整形外科痛みを語る会に参加しました。会長は山口大学整形外科鈴木先生であり、痛みについて様々な分野の先生がたの発表がありました。途中からの参加でした。特別講演で福島県立医大の二階堂先生の腰痛診療ガイドライン2019から見た腰痛の薬物療法の特別講演を拝聴しました。2012の腰痛診療ガイドラインが出ましたが今回の改訂でminds診療ガイドラインに沿った患者と医療者を支援することを目的として作成されました。背景疑問と臨床疑問に分けてあり、有効か?ではなく有用という言葉を使ってあり患者の嗜好も配慮してあるとのことでした。有意差のある論文のみを取り上げてエビデンスありとするのではなくアウトカムごとにメタ解析を行って評価を行なって患者さんにとって有用な益と害のバランスを検討して推奨度を決定したそうです。ガイドラインは医療裁判で用いられることがありますがガイドラインと異なった治療を選択する場合は慎重な検討が望ましいそうです。対象は整形外科専門医だけでなく一般診療医も対象で腰痛のトリアージとプライマリケアにも役立つ情報を記載されてあります。腰痛の原因の75パーセントが非特異的腰痛であることは再考を要するとの記載がありました。腰痛患者が初診した時に確定診断に至るまで様々な画像診断を利用することを付け加えてありました。又腰痛の薬物療法では急性腰痛、慢性腰痛、坐骨神経痛のそれぞれに対してオピオイド、プレガバリン、デュロキセチンなど前回のガイドラインで採用されていない(出ていない)薬物の推奨度も記載されました。デュロキセチンは疼痛と機能に関して有効でしたが有害事象(副作用)はやや多いという結果であったそうです。その後懇親会に参加しましたが会長の鈴木先生や福島県立医大の矢吹教授とお話しできて貴重な時間を過ごすことができました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。