運動器と痛みの国際シンポジウムイン山口

7/24宇部市で運動器と痛みの国際シンポジウムイン山口に参加しました。最初に山口大学整形外科鈴木先生の非特異的腰痛の診断と特徴ー山口スタディーの英語の講演を拝聴しました。山口臨床整形外科学会と山口大学整形外科と協力して行った研究で英語で発表されるとのことでこちらを聴きたくて宇部まで来ました。非特異的腰痛が85パーセントというDeyoの論文に対して整形外科医が腰痛患者の診断分類を行い特異的腰痛は21パーセントでしたが、非特異的腰痛に分類される腰痛のうち78パーセントは診断が可能であったという結果を流暢な英語で発表されました。
次いでデンマークのニールセン教授の講演を拝聴しました。central neuroplasticity across musculoskeletal pain conditionというタイトルでした。運動器の疼痛は腰痛が一位ですが変形性関節症による痛みも上位に入ります。関節痛も小病変でも強い痛みがあり炎症、軟骨損傷など様々な要因が重なって痛みが生じます。sensitisationのメカニズム、痛みの可視化、定量化、X線分類で初期でも滑膜炎を合併すると痛みが強い、線維筋痛症では圧疼痛閾値が全身で上がっている(小さい刺激で疼痛増悪)関連痛の広がりが慢性腰痛、線維筋痛症などはより広い、facilitated central painについて、下降性疼痛抑制系、多数回手術になると疼痛過敏になりやすいこと、mechanism based treatment などについて教えていただきました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。