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8/6大阪から帰る前に国立国際美術館で開催されているバベルの塔展を観に行きました。10時開場で9:30に行きましたがすでに20人並んでいて10時前には200人ほど並んでおり人気の高さにびっくりしました。バベルの塔の絵画は最後に飾られており皆熱心に見入っていましたが、そのあとに東京芸大チームがCGで作成した精細版のバベルの塔があまりにもリアルで感動しました。

リクラストエクスパートフォーラム が大阪であり、参加しました。基調講演で近畿大学整形外科の宗圓教授の「我が国における骨粗鬆症治療の変遷」についていけ拝聴しました。

平均寿命に関して骨粗鬆症、大腿骨近位部骨折の関与は内科的疾患に匹敵すると言われています。骨粗鬆症患者さんは推定1280万人と言われています。脊椎骨折や大腿骨近位部骨折は加齢とともに増加し、大腿骨近位部骨折は5年生存率が50パーセントで生命予後に直結します。大腿骨近位部骨折は日本では80歳代で手術例がやっと減少に転じましたが、90歳代では増加しているとのことでした。我が国では骨粗鬆症診断基準が1995年に出され、1998年に骨粗鬆症治療ガイドラインが出され今までに改訂を重ねています。2012年の最新の診断基準では脊椎骨折、大腿骨近位部骨折があれば骨粗鬆症であり、その他の脆弱性骨折では骨密度が若年平均の80パーセント未満で骨粗鬆症、骨折がない場合は骨密度が若年平均の70パーセント未満となっています。骨粗鬆症の薬物治療開始基準として脆弱性骨折がなく、骨密度が若年平均の80パーセント未満でもFRAXで15パーセント以上、両親の大腿骨近位部骨折がある場合には治療開始するとされています。骨粗鬆症治療薬でビスフォスフォネート製剤が最も使用頻度が高いですが内服薬、静脈注射(1ヶ月に1回と1年に1回があり)があります。最近発売されたリクラスト(ゾレドロン酸)は年1回の静脈注射薬で新規椎体骨折を二年で62パーセント抑制され、非椎体骨折も有意に抑制されました。副作用として発熱が30パーセント、関節痛10パーセント、インフルエンザ様反応7パーセントありました。副作用対策でアセトアミノフェンやイププロフェンを数日内服することで軽減できるとのことでした。腎障害のある患者さんには慎重投与です。またビスフォスフォネート製剤と顎骨壊死の関連性は2017年のポジションペーパーではビスフォスフォネート製剤を4年以上投与されている場合、抜歯など外科的処置が必要な場合は歯科と相談して行うことが出されましたが基本的には休薬は必要ないとのことでした。神戸大学の口腔外科の論文では顎骨壊死にビスフォスフォネート製剤の休薬に関連性がなかったが、抜歯後の開放創は顎骨壊死の危険因子となるそうです。我が国の骨粗鬆症治療の現状は骨折患者の2割であり、継続率が低い(50パーセント未満)ので骨粗鬆症学会が骨粗鬆症リエゾンサービスを推奨しており、医師のみでなく、メディカルスタッフが関与することで初発骨折の予防と骨折連鎖の予防と治療の継続の維持が目的です。

ついでカリフォルニア大学のBlack教授の骨粗鬆症性脊椎骨折の予防:新しい効果的な治療という講演があり、私にとっては久しぶりにネイティヴスピーカーの講演でした。Black先生は約6500例のアレンドロネート製剤やリセドロネート製剤の大規模試験や様々な論文があり紹介されました。ゾレドロン酸投与の7000例の3年の結果で脊椎骨折を70パーセント、大腿骨近位部骨折を約41パーセント、非椎体骨折を25パーセント抑制したとのことで、顎骨壊死は1例でプラセボ例でも1例でいずれも治癒したとのことでした。非定型骨折は頻度は少なく、大腿骨近位部骨折の抑制率の方が上回るとのことでした。

最後です。内科の勉強しっかりできました。
禁煙指導

タバコの煙には本人が吸う主流煙とタバコから立ち上る副流煙があり、多くの有害物質(ニコチン、タール、発がん物質など)が含まれ、副流煙の方が数倍から数十倍多いです。肺がんのみでなく、口腔ガン、喉頭がん、食道がんなども引き起こし、子供の中耳炎や喘息への影響もあります。日本の男性の喫煙率は30パーセント、女性は8パーセントで男性は低下していますが女性は横ばいです。日本では能動喫煙で年約13万人が死亡し、受動喫煙では年15000人が死亡しています。


 

健康相談

健康増進の考え方は1946年にWHOが提唱した「健康とは単に病気ではない、虚弱でないというのみならず、身体的、精神的、そして社会的に完全に良好な状態を指す」というところから1980年以降は健康増進は個人の生活習慣の改善だけでなく、環境の整備を合わせたもの(ヘルシーシティ)へと変化しています。

禁煙、節酒、減塩、運動、適正体重の5つの健康習慣を実践しているグループのがん相対リスクは男女共直線的に低下し、健康習慣を一つ実践するごとにがんのリスクが男性で14パーセント、女性で9パーセント低下することが明らかになりました。

健康日本21では10年後に目指す姿を「すべての国民が共に支え合い、健康で幸せに暮らせる社会」とし、希望や生きがいを持てる基盤となる健康を大切にする社会、誰もが健康づくりの資源にアクセスする社会、社会環境の改善を図り、健康格差の縮小を実現する社会を目指すとしました。臨床医ができることは社会心理的な困難を抱える人たちを見出し、非医学的問題について相談にのり、自己肯定感を高めるように支援し、患者会、家族会を支援しそこをつなぐことで孤立や不安の緩和をすることです。高齢者の低BMIは総死亡率を増加することから、フレイル、サルコペニアの危険がまし、要支援、要介護のリスクが増大するため、その予防が求められ、栄養、身体活動、社会参加の3本柱が健康長寿に重要です。前期高齢者以前ではメタボ、過栄養対策などの生活習慣予防が中心で、前期高齢者では過栄養と低栄養を判断して戸別に対応し、後期高齢者では低栄養、フレイル予防が中心となるとのことです。


 

介護保険

日本の介護保険制度の特徴は保険者は市町村で被保険者は65才以上の第一号保険者、40-65才未満の第二号保険者となり50パーセントが公費が導入されています。要支援は予防給付であり、介護認定にコンピューター判定を導入されたこと、在宅療法が主流、ケアマネジメントの導入、市町村を中心にしたシステムであることが特徴です。介護保険には介護認定という給付額制限があること、給付内容の決定権は本人、家族になります。介護認定審査、ケアマネジメント、介護予防が今後介護保険制度成功の鍵になるそうです。介護保険利用者に対するかかりつけ医の役割として本人の心身の総合的健康管理、介護者を含めた家族全体の健康管理、本人、家族の意思決定に対する援助、

在宅医療 、チームアプローチのコーディネーターであることが求められます。主治医意見書が大事で特定疾病を傷病名の1に記載すること、介護の手間がどの程度になるか?状態の維持、改善性の評価、介護サービス計画作成時に利用すること、その他注意点を教えて頂きました。



 

高血圧症は世界で11億人、我が国で4300万人存在し、降圧薬療法は脳血管障害を40パーセント、心筋梗塞を20パーセント減少するそうです。死亡の危険因子の第一位である喫煙についで高血圧が二位、三位は低い身体活動(運動不足)ですので高血圧の治療は非常に重要です。前期高齢者(65-74才)で高血圧が66パーセントで降圧薬を服用していない人(放置)が24パーセント存在することは問題です。高血圧は収縮期血圧140mmHg以上、又は拡張期血圧90mmHg以上と定義されています。家庭血圧(朝起床後1時間以内排尿後、朝食前、座位1-2分後に二回測定して平均をとる)が診察室で測る血圧より優先されます。家庭血圧が13585mmHg以上あれば仮面高血圧(10-15パーセント)として薬物療法を開始します。降圧目標は14090mmHg未満とし、心血管系のリスクが高い糖尿病や蛋白尿陽性の慢性腎臓病では13080mmHg未満を目標にします。生活習慣の修正では16グラム以下の減塩、BMI25未満の減量、有酸素運動、節酒、禁煙指導が必要です。降圧薬治療はカルシウム拮抗薬、ARB(アンジオテンシンII)阻害剤、ACE(アンジオテンシン転換酵素)阻害剤、利尿薬、β遮断薬を単剤から開始し、効果を見ながら調整するそうです。服薬管理で残薬の確認も重要とのことでした。治療抵抗性高血圧は専門医紹介が必要となることがあります。心不全は以前は心臓の左室駆出率低下などの左室収縮機能障害で生じると言われていましたが、最近では左室拡張機能障害に起因するそうで、心房細動は脳卒中の発症率が48倍ありますので、脳卒中予防のため抗凝固剤を使用します。

 

認知症は我が国で530万人と言われており、2025年には五人に一人となる700万人を超えると言われています。老化とは生物学的には成長から成熟という段階をえてやってくる退縮過程のことで高齢期の正常変化です。老化の4原則とはすべての個体に現れる、各々の個体差が多い、同一個体内で臓器により老化に差がある、非可逆的であることです。認知症とは正常に発達した知的機能が、脳の後天的な器質性変性により生じる症候群で、意識障害がなく、記憶障害、判断力の低下があり、社会生活や対人関係に支障を来し、脳の器質的疾患の存在が確認(うつ病を否定)されることで診断します。代表的な認知症とはアルツハイマー型(認知症の50-60パーセントでアミロイド沈着が主)、脳血管性、レビー正体型(早期よりパーキンソン症状、幻視、レム睡眠時の異常行動、うつ状態)、前頭側頭型(ピック病)、その他に分類されます。甲状腺機能低下症、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、高次機能障害、ビタミン欠乏症など可逆性の疾患にも生じます。認知症の症状は脳細胞の損傷で生じる中核症状(記憶障害、見当識障害、理解・判断力の障害、実行機能障害、失行・失認)と行動・心理症状(問題行動、周辺症状、妄想、幻覚、不眠、徘徊、攻撃的、不潔行動、介護への抵抗、異常行動など)を整理して理解します。抗認知症薬は4種類あり、中核症状に対して使用しますが根本治療薬はありません。認知症の人に対する対応の基本は援助者の気持ちが当事者に伝わることに留意することだそうです。

日本医師会主催のかかりつけ医研修会に参加しました。脂質異常症、糖尿病、高血圧症、認知症、禁煙指導、健康相談、在宅医療、介護保険、服薬管理についてテレビ会議での講演を拝聴しました。動脈硬化の進展にはプラークが形成され、プラーク破綻、血栓形成へと進行します。危険因子として高LDL血症、高血圧、糖尿病、喫煙、内蔵型肥満が危険因子であり、それらの包括的管理が必要です。人間ドックでも高TG血症が24年で37倍に増加しており心筋梗塞の発症増加にも関与しています。脂質異常症の診断基準はLDLコレステロールが140mgdl以下、HDLコレステロール40mgdl以上、トリグリセライド150mg以上、non HDLコレステロール170mgdl以下です。non HDL コレステロールは食後でも評価可能とのことでした。一次予防では非薬物療法が基本ですがLDLコレステロール180以上では薬物療法でまずLDLコレステロール管理を目指し、達成後はnon HDLコレステロール管理を目指します。高LDLコレステロール血症には飽和脂肪酸摂取制限、トランス脂肪酸摂取制限、コレステロール摂取制限を指導する。薬物療法にはスタチン、小腸コレステロールトランスポーター阻害剤、陰イオン交換樹脂、プロブコール、フィブラート系薬、多価不飽和脂肪酸、PCSK9阻害剤などがあり、それぞれ効果と副作用を加味して使用します。高LDLコレステロール血症にはスタチンが第一選択であり、コントロール不良の場合には専門医紹介が必要です。LDLコレステロール/HDLコレステロールが25以上では心筋梗塞発症リスクが上昇するので治療が必要です。女性の高LDLコレステロール血症では食事、運動療法が優先されます。高齢者の高LDLコレステロール血症ではスタチン投与が一次予防二次予防に有用です。フレイル(虚弱)は心血管イベントの危険因子で、スタチンはサルコペニアの誘因とはいえないとのことでした。

 

糖尿病は男性で8年、女性で11年短縮し、50年で35倍増加しており、早期発見、早期からの対応が重要です。糖尿病の治療の目標は血糖、体重、血圧、血清脂質のコントロールと合併症の予防が重要です。糖尿病と糖尿病予備軍を合わせると2050万人と言われています。糖尿病は1型、2型、その他の特定機序、妊娠糖尿病の4つに分類されます。1型で中年以降発症のSPIDDMもあり、劇症1型糖尿病も注意が必要です。2型糖尿病はインスリン分泌低下とインスリン抵抗性に分類され、空腹時血糖126mgdl以上、HbA1c65パーセント以上などで診断されますが正確にはブドウ糖負荷試験が必要です。後頭部から肩の皮膚の浮腫性硬化、手掌腱膜の肥厚収縮するドュプイトレン拘縮、項部頸部腋窩に黒褐色の色素沈着などはインスリン受容体異常症Aを疑う初見です。糖尿病性末梢神経障害は足の痺れ、アキレス腱反射消失、足関節内果の振動覚低下のうち2項目で診断されます。足のつりにタウリン酸や芍薬甘草湯、セルシン眠前2mgなども有効です。糖尿病性網膜症は緑内障に次いで視力障害の二位ですので毎年眼科検診が必要とのことです。糖尿病性腎症も糖尿病発症から5-10年で起こリ透析後の予後も悪いので血糖、血圧、脂質管理、禁煙、減塩が予防に重要です。収縮期血圧が高いと冠動脈疾患発症リスクが上昇し、LDLコレステロール、トリグリセライド、HbA1c増加が脳梗塞発症リスクが上昇します。唾液分泌量が減り、歯周病の発症も悪化しやすく、飲酒喫煙ストレスなど生活習慣の関与が大きいです。糖尿病患者の5パーセントがNASH(非アルコール性脂肪肝炎)を発症します。急性合併症で糖尿病性ケトアシドーシス(血糖300mgdl以上で意識障害も合併)、高血糖高浸透圧症候群(著しい脱水)、足の感染症は重篤化しやすく注意が必要です。薬物療法は内服薬はインスリン抵抗性改善系、インスリン分泌促進系、糖吸収排泄調節系に分類されわが国では安全性に優れ制約の少ないDPP4阻害剤が主流になっています。

7/28 クリニック終了後に湯田で当院で二か月間研修した理学療法士の卵の学生さんの送別会がありました。兵庫の出身なので残念ながら地元で就職希望だそうですが、マッケンジー法や足底板には興味を持ってくれたそうですのでぜひ講習会に行ってくれることを期待しつつ送り出しました。林部長が非常に熱心に教えてくれている姿には感心しました。
7/26 クリニック終了後、5年に1回の保健所立ち入り検査を受けました。開院時から二回目ですが少し緊張しましたが、書類関係もそろえていましたが、抜けていたところもあり色々教えて頂きました。5年後は指摘されたところを改善して万全を期したいと思いますが少しホッとしました。

7/21 RAエクスパートミーティング イン 山口があり参加しました。山口赤十字病院膠原病内科の民本先生の内科的合併症を有する関節リウマチの治療について講演されました。関節リウマチの肺病変は死因の14を占め リウマチの疾患活動性が関与します。気管支拡張症の患者さんに生物学的製剤を使用すると肺病変の生じる確率が増加します。肺炎でも通常型間質性肺炎、非特異性間質性肺炎、びまん性肺胞障害、器質化肺炎など様々なパターンがあり、症例を提示されながら教えて頂きました。潜在性結核感染症はステロイド製剤で2-3倍、生物学的製剤で4倍発生率が高くなるので検査後リスク高い場合は抗結核剤(イソニアジド)を使用します。非結核性抗酸菌症も増加しているそうで既存の気道病変、間質性肺炎の既往が発病の危険因子だそうです。生物学的製剤使用では25倍の発病率があります。ニューモシスチス肺炎は真菌感染症で発生率は04パーセントぐらいで低いのですが死亡率は10-29パーセントと高いので注意が必要です。高齢発症の関節リウマチはリウマチ性多発性筋痛症の合併が多くリウマトレックスも有効だそうですが生物学的製剤も使用されるそうです。。PETCTで腰椎棘突起、坐骨などに集積することも特徴だそうです。

7/19 第2回上田塾がありました。上田先生から前回の復習と様々な気付きを教えて頂きました。またブレインストーミングも2グループに分かれて行われ盛り上がりました。


 
この学会の楽しみは懇親会の催し物にあるといっても過言ではありません。毎年担当県の先生方が趣向を凝らされます。今回は日本大学のチアダンス部の本格的なチアリーディングと浅草のサンバチームによるダンスに魅了されました。
私の発表は第二会場で無事終わりました。来年は鹿児島であり、座長の依頼があるので楽しみです。