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6/11山口市民会館で山口県医学会総会が開催され 第100回ということで特別講演があり、順天堂大学附属病院長の天野篤先生の「この時代の医師としての役割」を拝聴しました。村岡県知事の挨拶と防府西高校の吹奏楽部の演奏の後にいよいよ始まりました。1500名収容の会場はほぼ満席でした。

トレーニングと訓練は違う。訓練はいつも臨戦体制をとっておくことだそうです。大切なことは患者さんに対して結果を出すこと(アウトカムを作る)だそうです。

医師となっての目標、キャリア形成とは、初期研修医、後期研修医、専門医、指導医、開業医と勤務医、医院と病院、一般病院と大学病院などがあります。外科医の婆は臨床経験、研究活動、病院管理などがありますが、医師は一生勉強しなくては今の時代についていけないと言われたことも心に残りました。

現代は欧米並みに生活習慣病が拡大し、日本の総コレステロール値は2000年から上昇し、糖尿病、高血圧、肥満が増加しています。又世界が経験していない少子高齢化社会であります。初期臨床研修医地域格差の拡大が問題になっています。研修プログラムや経験豊富な指導医の存在、高度医療の提供などで中央と地方では差があるそうです。

外科医の資質と持ち続ける姿勢として、自分が最も患者さんを理解して医療情報を把握しているという自信とエビデンスを示すことが術者への最短距離であり、担当患者さんについてCure(経験と技術)とCare(情熱優しさ)のバランスを出しおしまないということを述べられました。外科医の世界は意思あるところに道ありの典型であるとのことも述べられました。

天野流プロフェッショナルの流儀は効率よく、無駄や犠牲を最小限に物事が運ぶようにすること、最高の手術とは患者さんがそれを忘れてしまうほどの手術だそうです。

最近高校生密着プログラムも順天堂大学で行っておられる取り組みも紹介されました。天皇陛下の心臓手術についても興味深い話していただきました。


 
6/10クリニック終了後に新幹線で大阪まで行き、巻き爪セミナーに参加しました。当院でも採用している3TOのセミナーで講師は河合修三先生でした。豊富な症例を見せて頂き、特に興味のあったフェノール法との使い分けについても大変勉強になりましたので今後の診療に生かしたいと思います。

6/4山口維新公園で第14回田島直人記念陸上競技大会があり、医務室勤務を行いました。午前中は予選で午後から決勝が行われましたが、山口市のチームでは小学校男子400メートルリレーで山口FLSが優勝、女子は小郡陸上が二位、山口陸スポが3位、高校生女子400メートルリレーで西京高校が優勝、男子は西京高校が二位という結果でした。一般男子では県内の選手も頑張っていました。110メートルハードルの男子選手の高さにはびっくりしました。故障者はハムストリング肉離れが一人ありましたが軽傷で何よりでした。

6/3 山口ターミナルホテルで「チームで行う骨粗鬆症治療セミナー-治療を始めるコツ、続けるコツー」の座長をして、当院スタッフも参加しました。講師は浜松南病院の梅原先生で、骨粗鬆症治療、特に骨形成促進剤の皮下注射治療への熱い想いを拝聴しました。メディカルスタッフ向けに非常にわかりやすく講義していただき参加者からも好評でした。聴衆にも話を振ったりして、話の進め方もさんこうになりました。


6/1クリニック終了後に処置室の棚づくりが始まりました。イケアで購入したものを組み立ててシンプルですが整理整頓に最適な棚が完成しました。看護師の古戸さんも大喜びでした。
6/1小倉ステーションホテルにていつのまにか骨折カンファレンスがあり、講師を務めました。座長は田原整形外科院長で以前二回ほどクリニックと先生のフィットネスクラブに見学に行ったことがあり光栄でした。40名の参加者の前で骨粗鬆症椎体骨折の早期診断のポイントとテリパラチド治療成績についてしっかり発表してきました。終了後に田原先生と色々お話しさせていただき勉強になりました。
5/25 小野田のナチュラルグリーンパークホテルで小野田整形外科医会で「ロコモティブシンドロームの観点から骨粗鬆症脊椎骨折と運動器疼痛を考えるーデイリーテリパラチド、デゥロキセチンの臨床経験を中心にー」という長ったらしい演題で講演しました。小野田市民病院に20年前に勤務しており先輩や後輩の先生方の前でしたが、中でも河合伸也名誉教授の前で講演することは非常に緊張しました。
一時間の講演でしたが質問もしていただき無事終了しました。

5/23佐賀大学医学部整形外科 園畑教授の運動器の疼痛に対する薬物療法というインターネット講演会を拝聴しました。

サプリメント、外用剤はエビデンスなし、ヒアルロン酸注射は海外では末期に使用するので推奨されていないそうです。内因性痛覚抑制機構には内因性オピオイド系と下降性痛覚抑制系があります。脊髄後角の第二層にノルアドレナリンはGABAやグリシンを抑制し、Aδ、C線維の興奮を抑制します。セロトニンは脊髄後角の第二層に65パーセント抑制します。卵巣摘出したラットでは脊髄後角のセロトニン受容体が減少します。下降性痛覚抑制系に作用する薬剤はノイロトロピン、リリカ、サインバルタ、トラマドールがあります。

サインバルタの著効例の提示や人工股関節置換術の術前鎮痛剤を内服しない率が57パーセントであり、処方についての説明不足、不十分な副作用対策、適切な薬剤選択ができていない、運動療法の重要性の説明と理解不足が原因だそうです。神経障害性疼痛に対する薬剤の効果を理解し、患者さんの痛みを上手に抑えて運動療法を導入することを最後のテイクホームメッセージとされました。


 

5/22クリニック終了後に慈恵医大整形外科の斎藤先生のウェブ講演を拝聴しました。

海綿骨骨は新陳代謝が盛んで年間40パーセント、皮質骨は年間5-7パーセント入れ替わる、何歳であっても治療介入一年で骨折予防効果は50パーセント以上であるとのことでした。

骨強度=骨密度(70パーセント)低下プラス骨質(構造)(30パーセント)であり、ビスフォスフォネートで骨密度増加しても椎体骨折が発生したり、骨密度正常でも骨折する骨粗鬆症があり、生活習慣病(DM,CKD,COPD,)では骨密度が高くても骨折することを念頭におくことが重要です。

骨皮質 は鉄筋コンクリート に例えられ、鉄筋はコラーゲン、コンクリートはミネラルになります。

未熟成熟架橋 =善玉架橋、老化架橋=悪玉架橋AGE (ペントシジン )=錆サビ  と言われており、加齢と共にAGE増加  して過形成(硬くて脆い)され、コラーゲン架橋 鉄筋=足場  異常起こるとアパタイト配列異常が生じます。エストロゲン欠乏すると 骨吸収亢進 プラス酸化ストレス亢進します。

骨折患者は未熟成熟細胞の低形成プラス老化型AGE架橋の過形成(過剰に老化したコラーゲン)、活性酸素増加と酸化ストレス増加して

悪玉善玉架橋の解離が大きいほど骨折しやすいとされます。現在骨質マーカー として血中ホモシステインと血中尿中ペントシジンがありますが保険適応外です。

日本人は低骨密度型5:骨質劣化型3:低骨密度+骨質劣化型2の比率であり、DM HbA1c7、5以上

腰椎・大動脈石灰化スコアリングACS6以上  (2椎体以上)は骨質劣化の指標になるそうです。

FRAXプラス骨質マーカーの 尿中ペントシジン高値で早期治療の適応を決定することも将来可能だそうです。

薬剤の中でSERMは骨吸収抑制作用はマイルドだがビスフォスフォネート製剤と同等の骨折予防効果プラス骨質劣化要因(酸化ストレス、ホモシステイン)を改善できるとのことでした。