山口市リウマチセミナー

9/27山口市リウマチセミナーがあり、参加しました。最初にステロイド性糖尿病と骨粗鬆症について山口赤十字病院内科の永尾先生の講演がありました。ステロイド糖尿病についてのメカニズムをレクチャーされました。ステロイド投与で膵α、β細胞量は増加せず機能障害で生じるとのことでした。ステロイド投与中止しても血糖は正常にならない場合はもともと糖尿病があった可能性が高いそうです。短期間のステロイド投与は患者さんの生活の質を考慮して血糖コントロールを行う必要があるそうです。糖尿病では骨折リスクが上昇することは知られていますが骨量低下より骨質低下が原因と言われているので骨密度が正常でも糖尿病性骨粗鬆症のリスクが高い場合には治療の対象になるとのことでした。

次いで山口赤十字病院整形外科の加茂先生の関節リウマチとステロイド性骨粗鬆症の講演があり、ました。最初に先生が取り組んでおられる股関節の上方アプローチを紹介されました。関節リウマチでステロイド投与と同時にアレンドロネート、リセドロネート製剤を開始します。ステロイド投与は1ヶ月おきに1mg減量する方法をとられるそうです。関節リウマチ患者さんの服薬遵守率は39パーセントでリウマトレックスでも6割、ステロイドは3割というデータを紹介されました。治療効果は服薬を守れているかにかかっているのですが原因として多剤になるためという問題があります。予防のエビデンスのあるリウマトレックス投与の場合の葉酸、ステロイド投与の場合の骨粗鬆症薬については投与すべきとのことでした。生物学的製剤の使用は多剤併用の弊害を減らすことにも貢献すしますし、手術をうまく使いこなすことも必要とのことでした。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。