院長ブログ – ページ 71


9/7小郡第一病院で第2回山口県足の外科研究会があり参加しました。足関節手術症例、リハビリ症例について各主幹病院の先生がたの発表がありました。特別講演で聖マリアンナ大学の仁木教授の足部疾患の再建手術ー関節温存・固定、人工関節の最近の知見を中心にーを拝聴しました。神奈川県川崎市にある大学で3年後に新設されるそうです。留学中にされていた扁平足に対する後脛骨筋の影響の研究なども交えて紹介されました。足の外科学会では若い先生たちが増えているそうです。まずリウマチの足変形に対する中足骨を短縮するオリジナルのCMOS(combined metatarsal osteotomy for shortening)手術について教えていただきました。中足骨頭を切除せずに骨切りして脱臼して短縮した基節骨の位置まで短縮すると関節温存すると足趾機能が温存されるとのことでした。一方で関節温存にこだわりすぎると関節が固すぎると機能的に問題ですので症例に応じて選択するとのことでした。次いで踵骨扁平足では後脛骨筋断裂、前足部回外の評価をすること、手術適応について教えていただきました。前足部の回外が矯正できない場合にはバネ靭帯の矯正修復を行うといった手術適応について豊富な症例を提示されました。最後に人工足関節についてですが適応は足関節荷重時のX線評価すること、前方アプローチと外側アプローチの選択の適応、人工距骨を用いた人工足関節の症例もみせていただき勉強になりました。
 

 

9/5アステム山口支部で第21回山口県実践フットケア研究会がありました。今回私と林部長が講演させていただきました。アステム山口支部は移転して半年経っていないとのことで非常に新しく広い会場でした。最初に私が整形外科クリニックにおける下肢痛、しびれの診断と治療について講演しました。主に腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症の鑑別や診断のポイントをお話しました。

次いで林部長が足から考える足のミカタというタイトルで講演しました。廃用症候群、過用症候群(overuse syndrome)、誤用症候群(misuse syndrome)という概念を説明され、私も誤用症候群はあまり聞きなれない用語でしたので勉強になりました。足の構造、歩行の基本的知識から足と脊椎との関係、ヒトと動物との違い、物理の基本原則、バイオメカニクスからみた歩行について実地も交えながら講演してくれました。ロボットの歩き方は股関節、膝が屈曲位で歩行するので不自然であること、股関節、膝が伸展することが歩行では必要であることなどの動画も交えながら講演しました。


9/1山口グランドホテルで中国四国地区リウマチの治療とケア教育研修会に参加しました。聖路加病院の岡田先生の関節リウマチの原因ー現在どこまで解明されているか?を拝聴しました。骨破壊は破骨細胞、軟骨破壊は滑膜線維芽細胞が担当しています。常備型免疫と誘導型免疫としてマクロファージ、IgG抗体、好中球、IgG1などの特異抗体など様々な細胞が関与しています。ステロイドは血管内の好中球を血管外に出ないようにして炎症を抑えます。抗CCP抗体は過去の炎症による蛋白の変性のよって生じる自己抗体、リウマチ因子は変性したIgGを認識する抗体だそうです。リウマチは喫煙、肥満、歯肉病など多因子のリスクファクターが関与しています。抗体を最初にB細胞が貪食してその後樹状細胞を介してT細胞を刺激するとのことでした。抗原提示されるとオプソニン化により特異的活性化が生じて抗体発生するのでどこに薬剤が効くかを考えて薬物を使用することが重要だそうです。IL6は骨だけでなく他の組織にも効果があるので全身状態もよくするそうです。又先生は関節リウマチは治療でコントロールするのが目標であるので投薬は大切な仲間であると説明されるそうです。

関節リウマチの鑑別疾患としてSLE、末端肥大症に伴う下垂体腫瘍、ビタミンD欠乏性骨軟化症、シーハン症候群、腫瘍関連関節炎(肺腺がんが多い)などがあることを教えていただきました。病態診断、除外診断をして治療開始して治療反応から除外診断をし直して又治療するやり方も教えていただきました。

長門総合病院の谷先生の超音波でわかる運動器疾患ー診断のテクニックーを拝聴しました。関節リウマチの関節エコーは滑膜増殖などの病変をみるのに優れています。高周波のリニアプローベを選択すること、先端部分を非利き手で母指、示指、小指ではじし、ゼリーをたっぷり使用する、プローベを微妙に動かす、異方性を理解することがコツだそうです。筋肉・筋膜、肉離れの評価と修復過程も描出できます。靭帯描出のポイントは骨の付着部を描出すること、腱の描出はフイブリラーパターンに注意することを教えていただきました。症例提示で異物、猫に噛まれて化膿性腱鞘炎の鑑別、関節リウマチの関節の滑膜炎の診断、治療、治療後の治療効果にエコーが有用であることを教えていただきました。ただし関節内にドップラーで血流があればすべてリウマチではないこと、パワードップラーは関節・骨破壊を密接に関連すること、エコー所見から薬物の変更、追加する事でエコー寛解を目標とすることを強調されました。肩のエコーでは上腕二頭筋腱周囲の炎症と烏口下滑液包炎などの存在が関節リウマチを疑う所見であることを教えていただきました。

産業医大の田中教授の関節リウマチの薬物療法を拝聴しました。関節リウマチは適切な治療をしないと関節破壊が進行しますが原因とが関節滑膜炎(リンパ球が増殖する)です。自己反応性Tリンパ球を起点とした自己抗原が関節に炎症を生じるためで、リウマチはリンパ球の病気で全身疾患でもあります。関節リウマチの診断は鑑別疾患を頭に入れて分類基準を満たすことで総合的に診断します。関節病変は必ず触診することが必要です。X線所見では関節裂隙の狭小が初期病変でへバーデン結節との鑑別点は骨棘があることです。消炎鎮痛剤は補助療法であり根本療法は免疫抑制薬である抗リウマチ薬、生物学的製剤であり通常はメトトレキサート6-8mgを開始し6ヶ月以内に目標達成しなければ変更を検討します。ステロイドは初期に使用しますが長期使用は勧められていません。葉酸を使用することで副作用対策が可能ですが腎障害は禁忌のため注意が必要です。メトトレキセートで半数は寛解しますが、効果のない例は生物学的製剤(TNF阻害剤)、又はJAK阻害剤を使用し半年で効果なければ製剤学的製剤(IL6抗体など)、他のJAK阻害剤を使用して最適な薬剤を選択して寛解を目標とします。産業医大では全身CTスクリーニングにより肺癌が0.5パーセント発見されたそうです。70才以上の高齢者には肺炎球菌ワクチンを使用することで肺炎の発生が半減したそうです。骨破壊の評価はシャープスコアで軟骨と骨の評価して生物学的製剤で関節破壊の改善がえられました。生物学的製剤も半年以上ステロイドを使用せずに寛解が維持されメトトレキセート単独で半年維持できればやめることが可能でメトトレキセートを減量して中止することも可能であるとのことでした。最近トファシチニブなどのJAK阻害剤が出たことで内服治療も選択肢の一つになってきましたが全身疾患の鑑別はしっかりする必要があるそうです。

広島大学の平田先生の関節リウマチの内科的合併症とその対策を拝聴しました。関節リウマチの関節外病変である血管炎、好中球減少症、間質性肺炎について教えていただきました。関節リウマチは患者数が70-80万人で自己免疫性破壊性多発関節滑膜炎を主徴とする膠原病です。遺伝、喫煙などの環境により抗体ができて関節滑膜炎ができるAからFの段階に分類されるそうです。関節外病変として発熱、体重減少、半数に抑うつがあるそうです。リウマチ自体による皮膚潰瘍、間質性肺炎、上強膜炎など、続発症としてのアミロイドーシス、リンパ増殖性疾患、薬物の副作用、偶発的な併存症などがあります。リウマトイド血管炎はほとんど皮膚病変、末梢神経障害でありステロイド大量療法とIVCYの治療が必要で徐々に減量するとのことでした。ニューモシスチス肺炎予防にはステロイド減量、中止であり予防薬としてST合剤が第一選択だそうです。

岡山大学の西田先生の関節リウマチの外科的治療の意義ーQOL向上を目指してーを拝聴しました。免疫抑制剤や生物学的製剤により関節リウマチの薬物治療成績も半数は寛解になるぐらい向上しました。それに伴い人工関節手術も減少しています、関節リウマチ患者120万人中生物学的製剤使用は約1割であり生物学的製剤にも抵抗性もあり人工関節手術は減少していますがなくなることはないのは薬物治療の有効性の限界があるからだそうです。逆に軟骨が薄く炎症が波及しやすく、使用頻度の高い手足の関節温存手術は増えているそうです。ボタンホール変形、逆ボタンホール変形なども人工指関節を使用して美容面での改善した例も提示していただきました。生物学的製剤では関節破壊が改善してリモデリングされ手術を回避できることもあるそうです。手術適応は薬物治療でも関節炎症、破壊が残存し日常での苦痛が大きい場合でありステロイド長期使用例では感染リスクがやや高くなります。生物学的製剤は手術前は1-4週休薬して手術すれば感染リスクには有意差はなかったそうです。JAK阻害剤は休薬なしで手術されているそうです。関節破壊(特に軟骨がない荷重関節)には人工股関節・膝関節置換術は除痛機能も良好です。人工肘関節の長期成績は良好でしたが、人工肩関節、人工足関節、人工手関節手術は手技は難しく適応は慎重にということでした。

最後に関節リウマチの多職種連携のシンポジウムがありました。医師、看護師、薬剤師、理学療法士の立場からお話がありました。関節リウマチは内科的疾患と整形外科的疾患が合併しているので医師だけでなくメディカルスタッフとの連携が必要であり公的助成などの相談に介入することで生物学的製剤の導入率向上に寄与するとのことでした。看護師の立場からまび記念病院の竹本先生のお話では看護師が質の高いリウマチケアを実践指導できることを期待されています。抗リウマチ薬の知識及び生物学的製剤の指導、説明、フットケアなど多岐にわたります。次いで山口県立総合医療センターの薬剤師の田中先生のお話があり関節リウマチ患者さんの生物学的製剤自己注射の指導を二回説明するそうです。

最後に山口労災病院の理学療法士の砥上先生のお話がありました。リハビリテーションとは手術治療を行った患者さんのADL,QOL改善を目的として社会復帰を図ることです。関節リウマチの運動療法は生物学的製剤の導入によりより能動的なリハビリテーションが可能となったとのことでした。


本日久しぶりにKSTUDIO で運動しました。袖岡インスタラクターのステップとメイキングボディエクササイズをして息も上がりましたが、やはり運動して汗がかける喜びを感じました。読書の秋でもありますが健康の為には適度な運動も大事だと思いますのでこれからも頑張ります!武田真治も言ってましたけど筋肉は裏切らない、というのは正に名言ですね。

脂質異常症は動脈硬化イベントの重要な危険因子です。LDLコレステロールが高いと動脈硬化性心血管疾患リスクが高くなり治療によりリスクを遅らせることができます。LDL-Cが140以上を高LDL血症、HDL-Cが40未満を低HDL血症、TGが150以上が高TG血症、non-HDLが170以上が高non HDL血症と診断します。糖尿病、慢性腎臓病、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患があると高リスク群になり、脂質管理目標値に基づいて治療します。食事療法は日本食推奨、過食防止、肉の脂身、乳製品摂取抑制、野菜、キノコ類の摂取増加、減塩、アルコール制限などがポイントになり、朝食欠乏は心血管リスクを高めるそうです。高LDL血症の食事療法では飽和脂肪酸摂取は目標量7パーセント、トランス脂肪酸摂取制限は1パーセントエネルギー未満、コレステロール摂取は200mg/dl未満を目指します。脂質異常症治療薬はスタチン、エゼチミブ、フィブラートなどは適応と有効性・安全性は確立していますが最近のPCSK9阻害剤は長期投与の安全性は確認されていないそうですがスタチンが効果不十分の場合にはこちらの薬も併用可能だそうですが腎機能低下例には気をつける必要があります。

高血圧症は日本で4300万人、治療しているのが56パーセント、有病率は男性24パーセント、女性20パーセントで心筋梗塞、心不全、脳梗塞の最大の危険因子です。診断手順は診察室で140/90以上あり、家庭で135/85以上で高血圧確定で、治療対象になります。家庭で135/85未満であれば白衣高血圧、135/85以上は仮面高血圧と診断し、こちらも要注意だそうです。140-159は1度、160-179は2度、180以上は3度高血圧で、降圧目標として若年、中年、前期高齢者は140/90未満、後期高齢者は150/90未満、糖尿病患者、慢性腎臓病患者は130/80未満、脳血管障害、冠動脈疾患患者は140/90未満とされています。生活習慣の修正として食塩制限一日6g未満、野菜・果物の摂取、減量、運動、節酒、禁煙があります。降圧薬はカルシウム拮抗薬、ARB/ACB阻害薬、サイアザイド利尿薬、β遮断薬があり、前三者のいずれかで効果なければ二者を組み合わせ、それでも効果なければ三者を組み合わせ、治療抵抗性の高血圧には4者を組み合わせて使用するそうです。又心房細動は約70万人で80才以上では3パーセントにあるそうです。脳卒中の発症リスクが4.8倍で治療は抗凝固剤です。又臨床イナーシャ(慣性、惰性)という高血圧、糖尿病、脂質異常症など自覚症状のない疾患で治療が十分行われていない原因で医療提供側、患者側、医療制度など多岐の問題が関与するとのことでした。

服薬管理に関して高齢者の緊急入院の3-6パーセントは薬剤が原因で高齢者では効き過ぎが多いとの結果が出ていますので投与量を減らす、投与回数を減らす、肝機能腎機能の検査、血中濃度の測定などで対処するとのことでした。ボリファーマシーという多剤服用対策として多種職連携が重要です。

禁煙指導について、喫煙率は男性30パーセント、女性10パーセントで1960年代男性が80パーセントだったのでかなり減少してきています。たばこの煙にはガンの原因になるものが70種類含まれており喫煙者本人への影響が大きいレベル1の疾患は口腔咽頭食道肺ガン、肝・胃・膵・膀胱・子宮ガンや脳卒中、歯周病、慢性閉塞性肺疾患、虚血性心疾患、腹部大動脈瘤などの因果関係が明らかとのことです。又受動喫煙による健康被害では先ほどのガン、喘息、乳幼児突然死症候群などがレベル1という結果でした。平成15年から健康増進法が施行され受動喫煙防止に関係する法令が初めて作成されたとのことでした。しかしながら世界的に受動喫煙規制状況は日本は米国、ドイツ、マレーシアなどと同じで禁煙場所の数が少ないので、法律が一部改正されて飲食店などの禁煙化が2020年4月に全面施行され加熱式たばこも分煙となるそうです。

健康相談は健康維持・増進活動(ヘルスメインテナンス:スクリーニング、カウンセリング、予防接種・投薬)、よろず相談、地域全体の健康増進など多岐にわたります。健診は健康であるか否かを確かめることで、特定の病気を早期発見治療する検診とは異なるそうです。健診はエビデンスはなく、検診はエビデンスがあるそうです。健康の社会的要因social determinants of healthにより健康格差が生じるそうですので地域全体の健康増進、スポーツ参加、社会とのつながりなどが重要であり、健康生成論という病気を治療することに加えて健康因を増やして貯金する考え方が必要であるとのことです。人類の最も貴重な資源である健康は値段がつけることができず、投資が必要であり、有り余って困ることはなく、投資で増やすことができ、浪費して枯渇することもあるので、健康を手に入れて何をするか?人生の目標を持ってもらい患者、地域住民の真の健康実現が医療者の最高の報酬であるということが印象的でした。
 

8/25テレビ会議システムによるかかりつけ医研修会があり聴講しました。糖尿病、認知症

、脂質異常症、高血圧症、服薬管理、禁煙指導、健康相談、介護保険、在宅医療について講義がありました。糖尿病は血糖値が高い状態が持続することで様々な合併症を引き起こす疾患で男性で8年、女性で11年寿命を短縮します。糖尿病と予備軍は2000万人と言われ合併症として心血管障害だけでなく歯周病、ガン、うつ病、骨粗鬆症、非アルコール性脂肪肝、過活動性膀胱、関節疾患なども明らかになりました。糖尿病治療の目標は血糖、体重、血圧、脂質のコントロールのより合併症の防止することで日常生活動作、健康寿命の確保になります。2型糖尿病の原因は肥満、過食、運動不足、飲酒、喫煙などによるインスリン抵抗性と膵臓の疲弊や病気などによるインスリン分泌の低下があります。診断は空腹時血糖が126以上、HbA1c6.5パーセント以上、食後2時間値が200以上であり症状として口渇、多飲、体重減少、発汗異常などがあります。身体症状で眼科疾患、甲状腺機能亢進症、口腔内感染症、下肢症状、神経症状、ドュプイトレン拘縮などもチェックする必要があるそうです。糖尿病性多発神経障害は下肢のしびれ、異常感覚、両側アキレス腱反射低下、消失、足関節内果振動覚低下が特徴です。他に無痛性心筋梗塞、胃無力症、外眼筋麻痺、顔面神経麻痺などもあります。治療は進行抑制にエバルスタット(キネダック)、しびれ痛みにデュロキセチン、プレガバリン、足のつりにタウリン、芍薬甘草湯が効果があるそうです。糖尿病性腎症は10-15年で生じクレアチンが2以上であれば平均2年で腎透析になるそうです。腎不全でも両上肢挙上、踵落とし、ハーフスクワットなどの運動はしてよいとのことでした。尿蛋白が出て40才以上ではeGFR45未満、40才未満ではeGFR60未満では腎臓内科に紹介することとのことでした。1型糖尿病は7倍、2型糖尿病は1.7倍骨折リスクがあるので骨密度で若年成人値の80パーセント未満で治療開始することが推奨されています。糖尿病患者の約1割は非アルコール性脂肪肝(NASH)であるそうです。急性合併症でケトアシドーシス、高浸透高血糖症候群、感染症、シックデイ(治療中に発熱、下痢、嘔吐、食欲不振)などがあるそうです。又低血糖症状は交感神経刺激症状(発汗、不安、動悸、振戦など)、中枢神経症状(頭痛、眠気、意識レベル低下)、昏睡などがあるとのことでした。治療各論も教えていただきHbA1cを7未満にしたり内服薬からインスリン、高齢者では総合機能評価(CGA:身体機能、認知機能、心理状態、栄養状態、薬剤、社会経済状況)を包括的に評価してHbA1cも75才以上では8未満を目指すとのことでした。

認知症とは脳の後天的な器質性変性により生ずる症候群で現在530万人といわれ、2025年には700万人を超えると言われています。認知症の疑いは本人が最初にわかるそうですが身内は50パーセントしか気づかず、医療機関受診は10パーセントとのことです。老化に伴っておこる老年症候群と鑑別する必要があります。認知症施策推進大綱として共生と予防(認知症を遅らせ、進行を緩やかにする)を両輪とするとのことです。認知症の記憶障害は記銘障害(覚える)から次第に全記憶障害になっていくそうです。加齢に伴う物忘れと認知症の物忘れの違いはヒントがあっても思い出せない、物忘れの自覚に乏しい、見当識障害、作話症状、進行性、悪化することがあるそうです。認知症にはアルツハイマー型、脳血管障害型、レビー小体型、前頭側頭型の4つに分類されます。軽度認知症(MCI)は記憶障害があるが日常生活動作、認知機能は正常で認知症ではない約10パーセントが認知症に進展するそうです。認知症治療のアルゴリズムも紹介されました。又成年後見制度について判断能力が不十分になる前に任意後見制度があり、判断能力が低下したら法定後見人制度で家庭裁判所に申し立てを行います。判断能力が不十分な場合には補助人、判断能力が著しく不十分な場合には保佐人、判断能力がほとんど欠けている場合は成年後見人となり、成年後見人は財産管理や身上監護を行いますが、医療行為に同意すること、身元保証人になるのは家族であることを留意する必要があると教えていただきました。


8/24広島でエキスパートミーティングイン中国五県に参加しました。座長は沖本クリニックの沖本先生で、島根大学内科の山内准教授の骨折の危険性が高い骨粗鬆症とは?〜続発性骨粗鬆症も含めて〜について拝聴しました。重症骨粗鬆症とは骨密度値が-2.5SD以下で1つ以上の脆弱性骨折を有するものとされていますが最近では大腿骨近位部骨折の既往を有するものとすることもあるそうです。初回骨折から半年、一年以内に2回目の骨折を生じやすいので、できるだけ早期に骨粗鬆症治療を始めることが重要であるとのことでした。二型糖尿病は骨質低下、骨代謝回転の低下により椎体骨折の危険性が約2倍になり、骨密度が低くない場合があることも注意が必要です。スクレロスチンは骨質劣化の指標になるそうですが保険適用になっていません。高齢、罹病期間が長い、アルブミン低下などが加わると骨折リスクは増加するとのことでした。又慢性腎障害、慢性閉塞性肺疾患、甲状腺機能亢進症、胃切除後、前立腺ガン、乳癌の性ホルモン抑制療法も骨粗鬆症リスク、骨折リスクが高くなるのでので既往聴取が必要であることも教えていただきました。又サブクリニカルクッシング症候群(副腎腫瘍あり)でステロイドが慢性的に高いと骨粗鬆症、骨折リスクが高いとのことでした。又内分泌内科専門医に紹介する場合に重症骨粗鬆症であることを記載してほしいとのことでした。

次いで鳥取大学保健学科の萩野教授の骨粗鬆症治療における薬剤選択・治療戦略について拝聴しました。骨粗鬆症治療薬は骨吸収抑制と骨形成促進薬があり、椎体骨折の抑制効果がグレードAであるのはビスフォスフォネート、デノスマブ、SERM、テリパラチド、ロモソズマブ、エルデカルシトールです。ビスフォスフォネートの使い分けは第2世代のアレンドロネート、ゾレントロン酸、第三世代のリセドロネート、イバンドロン酸などがあります。骨との親和性が高いのと低い種類があるのでそちらも考慮する必要があるそうです。テリパラチド週一回と週二回の検討で週二回の方が骨密度上昇が高かったそうですので今後の登場に期待できそうです。ロモソズマブは皮質骨の吸収がないのでテリパラチド毎日製剤と異なるそうです。

椎体骨折は骨折数が多く、圧壊のグレードが高いほど骨折リスクが高いそうです。骨粗鬆症治療薬の使い分けは年齢、骨折ありなしで使い分ける方法を教えていただきました。骨粗鬆症治療の治療目標としてYAM値が70パーセント以上として3-5年以内に評価すること(休薬ードラッグホリデー検討)が推奨されています。骨密度増加が大きいほど骨折リスク低減が大きいので骨密度を増加させることは骨折抑制に有用とのことでした。デノスマブは中止後多発骨折リスクがあるのでビスフォスフォネート製剤を投与する必要があるとのことでした。テリパラチド、ロモソズマブも他の薬剤で治療しないと骨密度は減少するので治療継続が必要とのことでした。デノスマブ投与後にテリパラチド投与は好ましくないとのことでした。

最後にディスカッションがあり萩野教授が座長で倉敷中央病院の松下睦先生、沖本先生がお話しされました。松下先生が骨形成促進剤が果たした役割についてレクチャーされました。圧迫骨折が偽関節になる割合が13パーセントと言われており、危機的骨折連鎖症例(脊柱の崩壊ードロップボディ症候群)もあるのでテリパラチドの役割をお話しされました。テリパラチドは骨折を起点とした時に使用されていますがロモソズマブはまだ結果が出ていないので今後の課題であるとのことでした。沖本先生はロモソズマブは海綿骨にも皮質骨にも良さそうでデノスマブより骨密度上昇効果が高く、癌患者にも使用可能ですが新鮮骨折にはまだはっきりしないとのことです。テリパラチドは骨芽細胞の前駆細胞を増やすので骨形成促進効果が高い(ハイパーリモデリング)そうですが、ロモソズマブは骨代謝回転の調整があり骨折癒合促進としては使用しないそうです。心血管イベントには要注意とのことで腎透析患者さんには使わない方がよいとのことでした。又糖尿病患者さんで狭心症や心筋梗塞の既往がある方には投与しないとのことでした。

最近はまっているテレビドラマですが金曜日の凪のおいとま、日曜日のノーサイドゲーム  、あなたの番ですは毎週楽しみに観ています。それぞれ面白いのですが今回紹介したいのは各主題歌がいいのです!凪のおいとまはmiwaのリブート、ノーサイドゲーム  は米津玄師の馬と鹿、あなたの番ですはAimer(エメ)のStand aloneと手塚翔太の会いたいよです。それぞれドラマの中の重要な場面で流れるので嫌でも盛り上がります。興味のある方はぜひチェックしてみてください。私は毎日車の中で聴いています。

8/18Drs.Fitness Kスタジオの併設レストランアランクロアでプレートランチをいただきました。野菜たっぷりで肉も日替わりですが今日はハンバーグとトンカツでしたのでお腹いっぱいになりました。味もすごく美味しいのでお勧めです!

当院の盆休みが終わりましたが私は健康診断を受けました。西岐波セントヒル病院で2回目のPET検診を受けました。翌日は山口済生会病院で大腸ファイバーを受けました。幸いポリープはありませんでしたが下剤を溶かして約2リットル飲むのが一番つらかったです。検診先でダニの啓蒙ポスターがあり印象的でした。中々ユーモアのセンスがあるポスターに感心しました。