院長ブログ – ページ 107

12/4日曜は休日外科当番でした。年に4回ぐらい当院にも回ってきますが、いつもよりは忙しくはなかったのですが急性腰痛症(ぎっくり腰)の患者さんが3人来られました。マッケンジー法での臥位伸展運動で改善傾向が認められたので何よりでした。
 
12/3土曜日は12/29に開催するクリニック忘年会の打ち合わせを行いました。司会をお願いしている大谷ヤスベエさんとお話ししましたが、ヤスベエさんの話に思わず聞き入ってしまいました。ヤスベエさんはホテルや結婚式場などなど様々な司会をしてこられたプロであり、様々なアイデアを出していただき、大変参考になりました。一番印象に残ったのが忘年会を望年会と名付けましょうという提案で、なるほど、と改めてヤスベエさんの凄さに感動しました。12/29が楽しみです!
 

11/27小郡で漢方セミナー in 山口があり参加しました。下関の整形外科クリニックの先生方や脳神経外科クリニックの長光先生も参加されていました。山本ペインクリニックの山本先生が「痛みから入る漢方治療」について講演されました。初めに痛みと鎮痛剤の知識の整理をされました。次いで痛みに対する漢方処方例とお勧めの漢方薬について教えて頂きました。西洋医学的な治療のみでは難しい訴え(冷え、重だるさ、痛みが動く、むくみ)漢方は随所証治療が原則で、実証(ガッチリ体格)と虚証(ほっそり、ぽっちゃり)、陽(急性の炎症)と陰(慢性炎症)、気血水を考慮することが重要だそうです。慢性腰痛に対して冷え、微小循環障害、筋肉痛など考慮して慢性腰痛に対して腎虚による腰痛に対してハ味地黄丸、牛車腎気丸、五積散が有用です。肩凝りに対しては葛根湯(麻黄と甘草が入っているので1日5グラムから)、頚部痛に僧帽筋まで痛みがあると桂枝加朮附湯がお勧めだそうです。治打撲一方(ツムラ89番)は打撲捻挫の腫れの軽減に有用で、桔梗湯(138番)は喉の痛みにうがいしながら飲むのもお勧めだそうです。芍薬甘草湯(68番)は夜間のこむらがえり、運動中運動後の筋肉疲労にも有用と教えて頂きました。その後平田ペインクリニックの平田先生が具体例な症例に実際処方例を教えて頂きました。


 

11/26小郡で九州沖縄地区OLS研究会ウェブセミナーがあり参加しました。サンライズ酒井病院薬剤部の大野先生が「OLS における治療薬中止症例の検討」について発表されました。サンライズ酒井病院骨粗鬆症センター骨の駅というセンターを立ち上げられ、OLS治療172例中13例の中止例について検討されました。男女間、椎体骨折と大腿骨頸部骨折間、年齢別には有意差はなかったとのことです。自院より他院の方が中止が多かったが有意差はなく、患者の自己判断で中止する例が多かったそうです。3ヶ月までの中止例が多くこの時期の積極的介入が必要であり、患者自身の問題と他院医師との連携が必要であり、特に包括施設での骨粗鬆症治療に対する温度差がある問題点を指摘されました。サンライズ酒井病院リハビリ部の本郷先生が「脆弱性骨折後の再骨折予防ー運動介入の効果と限界」について発表されました。運動療法の継続的介入機会が少ないこと、運動療法介入による骨密度上昇、転倒予防、バランス訓練は肯定的と否定的な報告があります。開眼片脚起立、スクワット、踵落としなどを行われ、運動療法継続の為に入院早期のみでなく、退院後も身体機能評価、転倒リスク評価などを3ヶ月おきに介入された結果、薬物治療開始率は80パーセントで継続率も80パーセントという結果を報告されました。次いで三財病院の井上看護師が「当院における注射製剤の管理・工夫」について発表されました。注射剤が432例あり、パス、患者ノートを作成して入院から外来まで継続して行われていることを具体例をあげて紹介されました。カレンダーに注射剤を色分けしていることは参考になりました。最後に三財病院整形外科の松本先生が「当院における骨粗鬆症治療注射剤の現状」について講演されました。宮崎県は健康寿命四位であり、日本一を目指されているそうです。(ちなみに山口県は7位でした)フォルテオ142例あり、終了後プラリア治療で継続する患者さんが多いそうです。最近発売された骨粗鬆症注射剤リクラストも骨密度増加が期待ができるそうです。また金沢地区の取り組みとしてかかりつけ調剤薬局でFRAXを行いリスクが高い場合は整形外科での骨粗鬆症精密検査を勧めて骨粗鬆症予防に努めている取り組みを紹介されました。又医科と歯科との連携(合同勉強会)にも取り組まれており、見習うことがありました。


 

山口県医師会健康スポーツ医学実地研修会が11/23山口県医師会館で開催され参加しました。特別講演で川崎医療福祉大学健康体育学科長の宮川先生の「歩行動作のバイオメカニクス」を拝聴しました。歩行動作のバイオメカニクスでは動き(キネマティクス)、力(キネティクス)、エネルギー(エナジティクス)の3つのアプローチをされるそうです。ウォーキングとジョギングとの違いはウォーキングは両方の足が地面に着いている期間があるかないかの違いで、歩く場合は両足接地が20パーセントで高齢になるとこの割合が増えるそうです。歩速(m/分)=歩幅(m/歩)×歩調(歩/分)で歩調は1分間で110-120歩であり、歩速は60-90m/分です。歩速の調整は歩幅と歩調で行いますが女性は歩調で速度を上げ、速度を落とすときは男女共歩幅を減少させるそうです。踵が着くと体重の1、2倍で片脚のときは遠心力が働き脚への負担が0、8倍になり、腕の振りによる上半身の回転は下半身の反対方向の回転で、下半身の回転は腕の振り出しに関与して歩幅を増加するそうですので腕を振るというより肩を後ろに回すイメージで歩く方がいいそうです。歩行で重要な筋肉は骨盤を水平に保つ中臀筋、大腿を持ち上げる腸腰筋、姿勢を維持する脊柱起立筋、着地衝撃の保護する前脛骨筋の4つです。ウォーキング時の力学的エネルギーの変化は振り子運動に似ており、位置エネルギーと運動エネルギーの受け渡しによって長時間の運動が可能となります。しっかり勉強をした後に恒例のウォーキングがあり、山口県保健会館から木戸公園、創造の森で昼食後たらちねの滝、兄弟山リフレッシュロード、朝倉八幡宮、湯田温泉神社を経由して保健会館に戻る総距離7、7km歩きました。知り合いの先生方と話しながら歩いたのであっという間の二時間でしたが脚は結構張りましたが充実したウォーキングでした。

11/17下関市でいつのまにか骨折を考える会があり、「骨粗鬆症性脊椎骨折におけるデイリーテリパラチドの導入、継続への工夫」と題して演者を勤めました。デイリーテリパラチドとは毎日自分で自己注射する骨形成促進剤であり当院で100例の経験からお話をさせて頂きました。下関市内の整形外科の先生方(臨床整形外科で大変お世話になっている先輩方です)や看護師さんにもお越しいただきました。講演の後も懇親会にて意見交換を行い有意義なひと時でした。座長の長井整形外科の長井英院長先生と写真を撮らせていただきました。


 
11/16新山口ターミナルホテルでいつのまにか骨折セミナーがあり、参加しました。天王寺記念クリニックの古賀先生の「スムーズな自己注射導入への方法とコツ~500症例の導入経験をもとに~」という講演を拝聴しました。私も明日下関でいつもまにか骨折セミナーの講演をするので500例という豊富な症例数に興味深いものがありました。骨粗鬆症の治療においてテリパラチドを限定的に使用されているそうです。三部構成で骨粗鬆症の重要性、フォルテオの効果と重要性、スムーズな自己注射導入への方法とコツについてお話しされました。70才の平均余命は男性15年、女性19年あること、男性9年、女性12年の健康寿命を上げることが大切であること、サルコペニアとフレイルの相違(フレイルは可逆性で精神的なことを含む)、寝たきりの20パーセントは骨折で脆弱性骨折がほとんどであること、脊椎骨折、大腿骨頸部骨折後の死亡の相対リスクは高く、生命予後も大腸癌より悪く、心筋梗塞と同程度(50パーセント)であることを教えて頂きました。ビスフォスフォネート製剤の登場から骨粗鬆症性骨折の予防、治療薬の選択肢が増えています。フォルテオの特徴として、新規椎体骨折の予防効果が85パーセントあり、既存椎体骨折が多いハイリスク患者の椎体骨折を抑制することが骨折の連鎖を止める効果が高いことがあります。外来と入院を含めた382例の成績で1年継続が外来では68パーセントだそうです。二年間継続は29パーセントで二年間に骨折例はなかったそうです。フォルテオを使用して脊椎骨折の疼痛が減少した、骨折が早く治る、足腰がしっかりした、元気になったという印象があるそうです。副作用はフィルテオは注射部皮膚発疹、嘔気などがあり、テリボンは46パーセントに副作用があり中止したそうです。ビスフォスフォネート製剤使用で顎骨壊死の症例提示もされ、全例治癒されたそうです。テリパラチドの適応として脆弱性骨折の生じた方は第一選択で使用されているそうで、動ける患者さんに使用されるそうです。フォルテオを使用することで健康寿命を伸ばすことが最終目標とのことで納得できました。最後に自己注射導入のコツについて説明されましたが、患者さんからはほぼ全例拒否されることから始まること、注射すること、針を刺すことへの不安を減らすことを認識し、Drの骨粗鬆症を治療する意欲、患者さんの現在及び将来への不安解消に心がけること、先生が作成されたクイックコムという資材を利用した患者さんへの実際の説明のビデオも放送され参考になりました。
2週間前から左側胸部が痛くて、深呼吸や起床時などに痛みが増強したのでもしや、と思ってエコーで確認すると肋骨の段差があり今年二回目の肋骨骨折という診断を(自分で)下しました。治療としては以前装着していたバストバンドをつけて左手にはあまり重いものを抱えないようにしていますと2週間で大分痛みは軽減しましたがKスタジオで有酸素運動をするにはあと2週間は我慢したいと思います。
脊椎の痛みを学ぶ会 in 山口が国際ホテル宇部であり参加しました。山口大学整形外科の岡崎先生によるアロディニアに対するリハビリテーションの効果についての発表がありました。先生の研究されている動物実験について紹介され、疼痛評価、疼痛行動学的評価があり歩行解析としてのcat walkより進んだ3次元歩行解析での結果、遊脚期に優位に患側が長く、ステップ長が長いこと、脚が高く上がらないことからリハビリテーションプログラムとして60パーセントの運動強度で40分のトレッドミルのリハビリテーションを行った結果、組織学的にも効果を認め、アロディニアはリハビリテーションで改善する可能性を報告されました。
次いで山口大学整形外科鈴木先生による「非特異的腰痛の診断と腰椎椎間関節症」について発表されました。山口県腰痛スタディとして臨床整形外科と山口大学整形外科が共同研究した結果を英文としてもまとめられ、最近注目されています。腰痛の85パーセントが非特異的腰痛であるという従来の認識でしたが、323例の腰痛患者の解析で整形外科専門医による診断で特異的腰痛が78パーセントであり、その中で腰椎椎間関節症が18パーセント認められ、その特徴的身体所見としてケンプサインや圧痛点などの組み合わせで診断ができるということでした。治療として山口大学で行っている電気焼灼術の紹介もあり55例の治療成績は50ー70パーセントの有効で持続効果は平均12ヶ月あったとのことでした。
最後に日本大学医学部整形外科の徳橋教授による「腰痛症治療における最新の話題」について講演を拝聴しました。日本の腰痛ガイドライン2012は急性から慢性まで含めたもので急性、慢性腰痛の定義や分類として非特異的腰痛、特異的腰痛に分類され、慢性化の危険因子として社会心理的要因が大きなウェイトを占めること、非特異的腰痛は侵害受容性疼痛評価と神経障害性疼痛の混合型であることなどが取り上げられました。腰痛の診断に問診が重要であることを強調されました。患者さんが今日の受診で何に期待しているか?ということも重要であるとのことでした。又外傷性椎間板ヘルニアの発生には大きな外力が必要であり、MRIで椎体の骨挫傷などが描出される場合有力な診断になることも教えて頂きました。急性腰痛に長期安静は禁であること、薬物療法に関しては次回のガイドラインで変更の可能性があることをお話されました。運動療法に関しては慢性腰痛には運動療法が有用であること、腰痛には手術と運動療法で優位性はない、高齢者の脊柱変形で中高年になってからの変性の進行するタイプが問題で発生率が約20パーセントで、進行すると腰椎後側弯による全身症状があり、左凸の腰椎側弯に医食道逆流症が多いことなど教えて頂きました。
山口大学整形外科の脊椎外科の寒竹准教授、西田助講ともお話しでき、精力的に頑張っておられることをお聞ました。

 
11月に入って朝晩が冷え込むようになりました。K STUDIOでは入り口にペレットストーブ(スタジオセンスさん)があり、火が入りました。暖かく優しい炎には癒されます。