院長ブログ – ページ 115

今週水曜日の朝のカンファレンスは林さんによる講義と実技でPNFについてでした。PNFはハーマン,カバット氏により1940年代に開発された固有受容性神経筋促通法でリハビリテーション手技の一つですが、スポーツの分野にも応用されています。わかりやすく林さんが解説してくれて実技も行ってくれました。当院の水曜日の朝は違う意味で熱いです!
盆休みに親知らずの抜歯を行った経過は順調です。スタッフとも久々に会いましたが皆元気そうで安心しました。新患の患者さんが多かったですが、腰痛から下肢痛を生じ、診察から腰椎椎間板ヘルニアを疑い、MRIを撮像して根ブロックまで行患者さんや、数日前から急に右手の脱力が生じたため受診され、診察上脳病変と頸髄病変の鑑別が必要と診断して脳神経外科に紹介してMRIで精査の結果脳病変があった患者さんなど印象深い方もおられました。早期診断、早期治療を一層心がけようと痛切に感じた一日でした。

 
盆休み二日目、抜歯が早く終わって痛みもないので、昼前からKSTUDIOが人手が足らないので手伝いをしました。エプロンをつけると気分はシェフですが、そんな簡単なものではなく、注文をとり配膳の手伝いをしました。知り合いの銀行マンが来られてびっくりされましたが、注文の取り方、飲み物、デザートを出すタイミングのコツやコップの水が足らないことに気を配っておくことなど、気づきが多かったです。結構様似なってると思うのは自分だけでしょうか?
8/12 盆休み二日目は古巣の山口県立総合医療センター歯科口腔外科で親知らずの抜歯をしていただきました。朝9時から局所麻酔をして5分後から開始してわずか10分で終わりました。上顎洞に接しており時間もかかることを覚悟して臨んだ分、拍子抜けしましたが縫合も不要でしたので一安心です。写真は抜歯直後と3時間後ですが、左上顎が少し腫れている程度で済みました。
昼にはアランクロアでおかゆを食べることができ、食べれること、しゃべれることのありがたさを痛感しました。麻酔が3時間で切れてきたので痛み止めを飲みました。
毎日暑い日が続きますね。クリニックは8/11-15まで盆休みですが、8/11山の日はK STUDIOに行きました。こちらは8/12-15まで盆休みですのでしっかり運動しました。受付に人がいない時に受付を少しの時間任されました。一人会員さんの受付をしようとしましたが慣れておらずスタッフの山内君に助けてもらいました。袖岡施設長のダンスエクササイズと三輪さんのズンバエクササイズに参加しました。

 
先週の講演準備と福岡での研修会参加などやっと忙しいことがひと段落したのですが、その反動か?月曜から喉を痛めました。ものを飲み込むと痛いし、声がおかしいし・・・この状態は以前経験した声帯浮腫で声がでなくなった事件が二回あったのですがその時の前兆に似ており、自分の体調管理の悪さに後悔仕切りですが、本日昼休みを利用して耳鼻科の先生に診て頂きました。かめやまクリニックの金谷先生にいつもお世話になっています。声帯は少し腫れていましたが浮腫にはなっておらず、j吸入した後は抗生物質と去痰剤を処方して頂きました。ありがとうございました。盆休み中には治します!!


 
本日昼休み前に患者さんの友人としてクリニックに松村邦弘さんが来られました。テレビで見たままの姿でしたが、親しみやすく写真撮影にも気さくに応じてくれて、待合室にいる患者さんのためにものまねも披露してくれました。患者さんもびっくりしましたが、夏のいい思い出になりました。
久々のノルディックウォーキングをKSTUIOで行いました。インストラクターの山田君と理学療法士の山内君が参加され合計8名でウォーキングエクササイズしました。ノルディックウォーキングに続いてトランポリンを用いた体幹トレーニングに参加しました。トランポリンエクササイズは色々バリエーションがありますがインストラクターの山内君のは体幹トレーニングの意義をきちんと説明してくれて簡単なようで結構きつかったです。自分の体幹筋力のなさにショックを受けました。アランクロアでランチのバジルパスタを食べた後は袖岡施設長のダンスエクササイズに久しぶりに参加しました。ゆっくり丁寧に教えてくれるのですが、音楽に合わせて早く踊るとついていけませんでした。最後は中島先生のエアロにこれも久しぶりに参加しました。しっかり動いた後本日の運動量を見たら15000歩、総消費カロリー1875キロカロリー、 中強度の運動が45分でした。まとめて1日で行うのは医学的にはお勧めできませんが、二週間ぶりでしたのでストレス解消になりました。昨日の座りっぱなしの反動で腰痛が朝からありましたが終わった頃には軽くなっており、やはり腰痛には長期の安静より動くことですね。(ただし前屈みは悪化する可能性が高いので注意してください)油断はできないのでマッケンジー法の評価に基づき腰椎伸展エクササイズを継続します
昼も食事しながら聖マリアンナ医大の仁木教授のリウマチ足趾変形の治療の講演がありました。前足部病変では滑膜炎、足趾変形、モートン病などがあり、足指変形の問題では装具療法、中足部病変ではショパール関節痛での装具療法なども紹介されました。関節リウマチでは免疫抑制剤、生物学的製剤の登場により内科的に治療のパラダイムシフトが起こっているので、足の外科でも今まで切除術から関節温存手術を行うようになってきたそうです。中足骨近位骨切り術を行い関節温存手術を行う手技を紹介されました。
午後は奈良県総合医療センターの杉本先生の足の靭帯損傷の講演がありました。足関節外側側副靭帯損傷の治療は1991年に手術と保存的治療で差がない論文が出ましたが、2003年には手術の方が成績が良いという論文が出て、先生のグループはギプスを1週間巻いた後に圧痛点が前距腓靭帯損傷単独では装具に変更し、踵腓靭帯損傷に圧痛点があればギプス固定を追加されるそうです。MRIでは腓骨筋腱周囲のSTIRの高信号があれば踵腓靭帯損傷と診断していいそうです。ランセットの論文でギプス固定一週間した治療が予後が良かったそうです。小児の外側側副靭帯損傷は外果裂離骨折の場合が多いでギプス固定を一か月行われるそうです。靭帯再建術は関節鏡視下靭帯縫縮術や再建術がありますが確立された手技はないそうです。足関節捻挫後の不安定性が残存すると疼痛が遺残するので難治例には下位脛骨骨切り術も有用だそうです。三角靭帯損傷に遠位脛腓靭帯損傷も合併している場合が多いので注意が必要です。距骨下関節捻挫や足根洞症候群や腓骨筋腱痙直性扁平足なども紹介されました。第1楔状骨と第2中足骨間のリスフランス靭帯損傷は足関節底屈、MP関節背屈で軸圧がかかって発症するそうですが足底板挿入や手術(関節固定術)を紹介されました。
次いでNPO法人オーソペディックスソサイエティの内田先生が外反母趾の保存療法の講演がありました。歩行時のバランスが崩れている状態を見て足底挿板を挿入しますが、荷重位での観察、X線像が重要だそうです。外反母趾変形の矯正として細い靴を使用して紐で調節する方法と中足部をテーピングして締めることで外反母趾の矯正が得られるそうです。細い靴では中足部を紐で調節する必要と足底挿板の両者が必要だそうです。中足部をテーピングや装具を締めて靴を履くといいそうです。第1趾側角度は不変が72パーセント、改善が13パーセント、悪化が15パーセントという結果を報告されました。
仙台赤十字病院整形外科の北先生が小児足部疾患の治療について講演されました。先天性内反足は尖足内反内転凹足変形を示す先天性疾患で、足根骨は距骨は底屈位で距骨以外は内転回外しており、第1中足骨は外転底屈して前足部内側の回内と凹足、リスフランス関節内転を合併しています。下腿三頭筋遠位に膠原線維にとむ軟部組織が多く筋膜短縮しています。Ponseti法による徒手整復の手順は前足部の凹足変形の矯正をまず行い、後足部で距骨周囲の足根骨の内旋を矯正し尖足を最後に矯正します。手術は軟部組織の解離とreーalingnment、腱の移行、骨切り術または関節固定術を行います。
次いで九州大学整形外科の福士先生が足の腫瘍の講演です。痛みを伴う腫瘤と痛くない腫瘤があり、X線像では骨腫瘍の診断では骨膜反応と骨破壊(虫喰い状骨破壊)を見ますが、骨皮質の破壊、石灰沈着は悪性を疑います。生検は針生検と切開生検があり組織診断は臨床像を記載することが重要だそうです。足の悪性腫瘍は10パーセントであり少なくないことを念頭におくことが重要だそうです。
最後の休憩後小児の足スポーツ障害について百武整形外科スポーツクリニックの田中先生の講演がありました。足関節捻挫はほとんどが靭帯損傷であり、特に小児は前距腓靭帯裂離骨折という認識が必要です。診断はX線では描出は工夫が必要でエコーで微小骨折が確認できることがあり、歩けない場合はMRIを勧めギプスを最低4ー6週間行う方が望ましいそうです。骨端症では踵骨のSever病では運動の制限とアキレス腱のストレッチ、Freiberg病は第2-4中足骨に生じ機械的ストレスが原因とされ治療は足底板や超音波、手術例もあるそうです。第5中足骨基部に生じるIselin病も教えていただきました。足根骨癒合症では距踵骨癒合症ではX線でCサイン dorsal talar beak signが特徴で、踵舟状骨癒合症ではanterior nose signが特徴的です。
帰りにゲリラ豪雨に合いましたが博多駅まで戻って大野先生、末富先生らと勉強した後の反省会(といって私と大野せんせいだけビールを飲みましたが・・・)を行い、語り合いました。若いDRと話をして、自分もそのエネルギーをいただきました。
足の勉強がこれだけまとめてできる機会はないので非常に勉強になりました。明日の診療にいかしていきたいと思います。



 
8/6朝から新幹線で博多の九大記念講堂に行き、日本足の外科学会教育研修会で1日足の勉強をしました。偶然新幹線で山口済生会病院整形外科大野先生と一緒でした。会場でかわかみ整形外科クリニックの院長先生と下関済生会病院の末富先生にもお会いしました。足の診察、バイオメカニクス、各論(骨折、靭帯損傷、変形、腫瘍など)も勉強しました。福岡歯科大学の井上先生の講演で、足の役割は体重を支える、体のバランスをとる、歩行、移動があり、何が困るかを聞くことが重要ですが一番問題となるのは痛みです。整形外科的なものと内科的なものと靴などの外部因子によるものに分類します。診察は診断と鑑別診断による緊急性を要するか?の判断が大切です。痛みの部位、足以外の痛み、歩行状態と靴下を脱いで足底の観察、立位歩行の観察、靴の観察を行います。触診は表面の解剖を理解して疾患を絞って動脈の拍動、タコや魚の目、知覚障害など左右比較します。痛くなる靴を持ってくることも必要です。緊急性があるのは外傷によるコンパートメント症候群、循環障害、開放骨折、変形による皮膚障害です。X線は少なくとも2方向撮影して頭で立体構成することなどが大切です。モートン病、外反母趾と強剛母趾の鑑別、足関節捻挫と足根骨癒合症、アキレス腱断裂、腓骨筋腱脱臼の鑑別、足底腱膜炎の鑑別診断も教えていただきました。獨協医大の栃木先生は足のバイオメカニクスについて講演されました。靭帯は足関節中間位では緊張しておらず靭帯不全があると遊脚期に関節が前方亜脱臼し、立脚期に整復される不安定性が生じる可能性を示唆されました。足関節ー距骨下関節複合体の考え方と足部の動的安定性に関与するのが下腿三頭筋で、後脛骨筋は内側アーチ挙上の主導筋で、長腓骨筋は第一足趾列を底屈して内側アーチを挙上します。踵骨結節の外側化が進行すると後足部のダイナミクスが破綻します。外反母趾は種子骨複合体に対する中足骨頭の外側亜脱臼と考えることを教えていただきました。
次いで羊ヶ丘病院の倉先生が手術進入路(足関節の前方アプローチ、前外側アプローチ、後内側アプローチ、cincinattia皮切によるアプローチ、後外側アプローチ等々)を教えていただきました。
奈良県立医大の熊井教授の足の超音波の講義を拝聴しました。まず触診して圧痛点がわかったら超音波で診断します。足関節靭帯損傷、アキレス腱炎やアキレス腱症、足底腱膜炎、足根管症候群、下腿肉離れ、疲労骨折などで有用です。
次いで仙台医療センターの伊勢福先生が足関節果部骨折の治療の講演をされました。足関節果部骨折は骨折+靭帯損傷であリ安定性と可動性のことを考えて治療します。循環状態、特に内果の腫脹、足部の筋区画症候群などに注意が必要です。Lauge-Hansen分類とAO分類の詳細な解説をしていただきました。手術適応は不安定性があり、転位が2mm以上とのことです。吸収スクリューも金属スクリューと成績に差がないのですがアレルギー反応に注意が必要です。脛腓間の固定でsuture buttone fixation deviceによるものも紹介されました。
久留米大学の野口先生が変形性足関節症について講演されました。変形性足関節症の手術には人工関節置換術、足関節固定術、骨切り術がありますが、保存的治療でもステロイド注射と足底板、装具などがあります。病期分類と足関節の形態、不安定性の評価、距骨の位置がポイントです。荷重位でのX線評価が必須です。距骨下関節の代償機能としてステージ分類でIIからIIIa度は踵骨は外反して代償機能が働いており、それ以上進行すると踵骨は代償機能が働かず内反しています。下位脛骨骨切り術(LTO)の適応としてステージ分類IIからIIIaで距骨傾斜角が小さく、荷重軸が内果にかからず、関節鏡で軟骨欠損が距骨天蓋関節面の20パーセント未満になるそうです。足関節遠位矯正骨切り術(DTO)は骨切り術に創外固定術を追加してステージの進んだ例にも適応があるそうです。人工関節置換術は末期関節症で内外反変化が15度未満のもの、周辺距骨下関節やショパール関節に関節症性変化があり、60才以上で活動性が低い例が適応になり両側例では片側を固定してから反対側を置換します。