生活習慣病ケア講習会での講演拝聴しました
2019/07/07


6/6生活習慣病ケア講習会が山口市であり参加しました。佐賀医大形成外科の石橋先生が生活習慣病に関連する下肢病変の講演を拝聴しました。石橋先生はフットケア関連学会では有名な方で当院のフットケアマネージャーでもある林リハビリ部長と宮島看護師と納富さんとで参加しました。生活習慣病とは食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒に伴う生活習慣がその発症・進行に深く関与する疾患です。末梢閉塞性動脈疾患は急性と慢性に分類されフォンテン分類2度の間欠跛行から判明することがあり、特に糖尿病性足病変は足に傷が出来やすく治りにくいという特徴があります。足の傷は骨髄炎になっていることもありX線撮影は必須です。足の傷があった時にはまずしっかり洗ってイソジンゲルやユーパスタを使用します。特に糖尿病性腎不全で透析患者さんはサルコペニアで下肢筋力低下がありぶつけたりした傷も治りにくく、末梢から壊疽が始まり、白癬菌から感染を生じるケースも多いので白癬治療も重要とのことで、糖尿病患者の下肢切断率は約8倍で切断後の生命予後も悪いとのことでした。下肢末梢動脈管理加算は透析を扱う施設では普及率が高いそうです。フットケア ではアセスメントが重要であるということを強調されました。
次いで浜田医療センター循環器内科の松田先生のpolyvascular diseaseの中の末梢動脈疾を拝聴しました。polyvascular diseaseは脳血管、心血管、腎血管、末梢血管の2つ以上の動脈のアテローム血栓症をいいます。末梢動脈疾患の冠動脈合併は30-50パーセントあり、大動脈瘤もでpolyvascular diseaseとのことでした。循環器内科として足病変を見つけたら全身の動脈疾患を精査治療するというスタイルを紹介されました。
末梢動脈疾患患者の薬物治療はシロスタゾールが第1選択であり血管内治療後も投与継続が予後を改善するとのことでした。大動脈から腸骨動脈領域では血管内治療を第1選択としますが大動脈瘤があるときは外科的バイパスがいいそうです。大腿動脈では15cm以上の長い狭窄にはバイパス病変が第1選択ですがそれ以下では血管内治療が選択されますがステントよりバルーンの成績が良いそうです。膝下動脈では重症下肢虚血では血管内治療が適応となりますが開存率は不良だそうですが心血管イベントの回避率が80パーセントぐらいあり介入の価値は高いとのことでした。末梢動脈疾患を発見したら他の動脈硬化の合併がないか?頚動脈狭窄、腎動脈狭窄、冠動脈病変がないかを念頭におくこと、抗血小板療法はアスピリンよりクロピドグレルが有用で血管イベント抑制が目的であるとのことでした。終わってから石橋先生を囲んで当院のスタッフとお話しさせていただき貴重なご意見やアドバイスを頂きました。













6/2310時からパソコンの前で運動器エコーセミナーをウェブで聴講しました。解剖学から見た痛みのメカニズムや末梢神経周囲へのハイドロリリースに必要な基本手技とコツ、末梢神経障害の定義と分類などエコーの第一人者の講師の先生に教えて頂きました。特に金沢医療センターの池田先生のお話で印象的だったのは末梢神経障害の原因は外傷に対する炎症反応により神経の滑走障害が生じ、その後瘢痕が形成され癒着が生じますが、滑走障害にはハイドロリリースが効果がありますが瘢痕には手術が必要とのことでした。午後は下肢・体幹の神経障害、神経外傷をどのようにエコーで診て治療するか?というレクチャーがありました。最後に池田先生の神経癒着の手術について癒着予防にヒアルロン酸の有用性を拝聴しました。
