院長ブログ – ページ 121

8/17 クリニック終了後にホテルニュー田中でDMARDSを考える会があり、ケアラムの使い方のポイントについて山口大学整形外科  徳重先生が講演されました。ケアラム(イグラチモド)は抗リウマチ薬でBリンパ球に作用し炎症性サイトカイン、免疫グロブリンを抑制する作用があります。メトトレキセートと併用することでより効果が期待できるそうです。山口大学整形外科での77パーセントがメトトレキセート使用され3割は単独、5割がDMARDS併用、1割が生物学的製剤併用だそうです。DMARDS単独では1割でありメトトレキセート併用が標準のようです。ケアラム使用例の有効例が約8割ありますが、疾患活動性が高い時には効果は低く、VAS痛みの程度は最初の1か月で効果が把握できるそうです。疼痛や圧痛の改善が早い印象があり、メトトレキセートに追加併用することが有用だそうです。症例の紹介により処方の仕方も非常に参考になりました。副作用はワーファリンと併用は禁忌であることに最も注意する必要がありますが、肝機能障害よりむしろ胃腸障害、腎障害、間質性肺炎(特に男性で既往のある方)に注意する必要があり、定期的な胸部写真、KLー6等のチェックも重要とのことでした。ケアラムの選択を考慮する場合としてメトトレキセート単独併用効果不十分、メトトレキセート禁忌、生物学的製剤効果減弱などを紹介されました。
終了後徳重先生を囲んで懇親会があり、さっか整形外科の目先生も参加され大いに盛り上がりました。

 
今週水曜日の朝のカンファレンスは林さんによる講義と実技でPNFについてでした。PNFはハーマン,カバット氏により1940年代に開発された固有受容性神経筋促通法でリハビリテーション手技の一つですが、スポーツの分野にも応用されています。わかりやすく林さんが解説してくれて実技も行ってくれました。当院の水曜日の朝は違う意味で熱いです!
盆休みに親知らずの抜歯を行った経過は順調です。スタッフとも久々に会いましたが皆元気そうで安心しました。新患の患者さんが多かったですが、腰痛から下肢痛を生じ、診察から腰椎椎間板ヘルニアを疑い、MRIを撮像して根ブロックまで行患者さんや、数日前から急に右手の脱力が生じたため受診され、診察上脳病変と頸髄病変の鑑別が必要と診断して脳神経外科に紹介してMRIで精査の結果脳病変があった患者さんなど印象深い方もおられました。早期診断、早期治療を一層心がけようと痛切に感じた一日でした。

 
盆休み二日目、抜歯が早く終わって痛みもないので、昼前からKSTUDIOが人手が足らないので手伝いをしました。エプロンをつけると気分はシェフですが、そんな簡単なものではなく、注文をとり配膳の手伝いをしました。知り合いの銀行マンが来られてびっくりされましたが、注文の取り方、飲み物、デザートを出すタイミングのコツやコップの水が足らないことに気を配っておくことなど、気づきが多かったです。結構様似なってると思うのは自分だけでしょうか?
8/12 盆休み二日目は古巣の山口県立総合医療センター歯科口腔外科で親知らずの抜歯をしていただきました。朝9時から局所麻酔をして5分後から開始してわずか10分で終わりました。上顎洞に接しており時間もかかることを覚悟して臨んだ分、拍子抜けしましたが縫合も不要でしたので一安心です。写真は抜歯直後と3時間後ですが、左上顎が少し腫れている程度で済みました。
昼にはアランクロアでおかゆを食べることができ、食べれること、しゃべれることのありがたさを痛感しました。麻酔が3時間で切れてきたので痛み止めを飲みました。
毎日暑い日が続きますね。クリニックは8/11-15まで盆休みですが、8/11山の日はK STUDIOに行きました。こちらは8/12-15まで盆休みですのでしっかり運動しました。受付に人がいない時に受付を少しの時間任されました。一人会員さんの受付をしようとしましたが慣れておらずスタッフの山内君に助けてもらいました。袖岡施設長のダンスエクササイズと三輪さんのズンバエクササイズに参加しました。

 
先週の講演準備と福岡での研修会参加などやっと忙しいことがひと段落したのですが、その反動か?月曜から喉を痛めました。ものを飲み込むと痛いし、声がおかしいし・・・この状態は以前経験した声帯浮腫で声がでなくなった事件が二回あったのですがその時の前兆に似ており、自分の体調管理の悪さに後悔仕切りですが、本日昼休みを利用して耳鼻科の先生に診て頂きました。かめやまクリニックの金谷先生にいつもお世話になっています。声帯は少し腫れていましたが浮腫にはなっておらず、j吸入した後は抗生物質と去痰剤を処方して頂きました。ありがとうございました。盆休み中には治します!!


 
本日昼休み前に患者さんの友人としてクリニックに松村邦弘さんが来られました。テレビで見たままの姿でしたが、親しみやすく写真撮影にも気さくに応じてくれて、待合室にいる患者さんのためにものまねも披露してくれました。患者さんもびっくりしましたが、夏のいい思い出になりました。
久々のノルディックウォーキングをKSTUIOで行いました。インストラクターの山田君と理学療法士の山内君が参加され合計8名でウォーキングエクササイズしました。ノルディックウォーキングに続いてトランポリンを用いた体幹トレーニングに参加しました。トランポリンエクササイズは色々バリエーションがありますがインストラクターの山内君のは体幹トレーニングの意義をきちんと説明してくれて簡単なようで結構きつかったです。自分の体幹筋力のなさにショックを受けました。アランクロアでランチのバジルパスタを食べた後は袖岡施設長のダンスエクササイズに久しぶりに参加しました。ゆっくり丁寧に教えてくれるのですが、音楽に合わせて早く踊るとついていけませんでした。最後は中島先生のエアロにこれも久しぶりに参加しました。しっかり動いた後本日の運動量を見たら15000歩、総消費カロリー1875キロカロリー、 中強度の運動が45分でした。まとめて1日で行うのは医学的にはお勧めできませんが、二週間ぶりでしたのでストレス解消になりました。昨日の座りっぱなしの反動で腰痛が朝からありましたが終わった頃には軽くなっており、やはり腰痛には長期の安静より動くことですね。(ただし前屈みは悪化する可能性が高いので注意してください)油断はできないのでマッケンジー法の評価に基づき腰椎伸展エクササイズを継続します
昼も食事しながら聖マリアンナ医大の仁木教授のリウマチ足趾変形の治療の講演がありました。前足部病変では滑膜炎、足趾変形、モートン病などがあり、足指変形の問題では装具療法、中足部病変ではショパール関節痛での装具療法なども紹介されました。関節リウマチでは免疫抑制剤、生物学的製剤の登場により内科的に治療のパラダイムシフトが起こっているので、足の外科でも今まで切除術から関節温存手術を行うようになってきたそうです。中足骨近位骨切り術を行い関節温存手術を行う手技を紹介されました。
午後は奈良県総合医療センターの杉本先生の足の靭帯損傷の講演がありました。足関節外側側副靭帯損傷の治療は1991年に手術と保存的治療で差がない論文が出ましたが、2003年には手術の方が成績が良いという論文が出て、先生のグループはギプスを1週間巻いた後に圧痛点が前距腓靭帯損傷単独では装具に変更し、踵腓靭帯損傷に圧痛点があればギプス固定を追加されるそうです。MRIでは腓骨筋腱周囲のSTIRの高信号があれば踵腓靭帯損傷と診断していいそうです。ランセットの論文でギプス固定一週間した治療が予後が良かったそうです。小児の外側側副靭帯損傷は外果裂離骨折の場合が多いでギプス固定を一か月行われるそうです。靭帯再建術は関節鏡視下靭帯縫縮術や再建術がありますが確立された手技はないそうです。足関節捻挫後の不安定性が残存すると疼痛が遺残するので難治例には下位脛骨骨切り術も有用だそうです。三角靭帯損傷に遠位脛腓靭帯損傷も合併している場合が多いので注意が必要です。距骨下関節捻挫や足根洞症候群や腓骨筋腱痙直性扁平足なども紹介されました。第1楔状骨と第2中足骨間のリスフランス靭帯損傷は足関節底屈、MP関節背屈で軸圧がかかって発症するそうですが足底板挿入や手術(関節固定術)を紹介されました。
次いでNPO法人オーソペディックスソサイエティの内田先生が外反母趾の保存療法の講演がありました。歩行時のバランスが崩れている状態を見て足底挿板を挿入しますが、荷重位での観察、X線像が重要だそうです。外反母趾変形の矯正として細い靴を使用して紐で調節する方法と中足部をテーピングして締めることで外反母趾の矯正が得られるそうです。細い靴では中足部を紐で調節する必要と足底挿板の両者が必要だそうです。中足部をテーピングや装具を締めて靴を履くといいそうです。第1趾側角度は不変が72パーセント、改善が13パーセント、悪化が15パーセントという結果を報告されました。
仙台赤十字病院整形外科の北先生が小児足部疾患の治療について講演されました。先天性内反足は尖足内反内転凹足変形を示す先天性疾患で、足根骨は距骨は底屈位で距骨以外は内転回外しており、第1中足骨は外転底屈して前足部内側の回内と凹足、リスフランス関節内転を合併しています。下腿三頭筋遠位に膠原線維にとむ軟部組織が多く筋膜短縮しています。Ponseti法による徒手整復の手順は前足部の凹足変形の矯正をまず行い、後足部で距骨周囲の足根骨の内旋を矯正し尖足を最後に矯正します。手術は軟部組織の解離とreーalingnment、腱の移行、骨切り術または関節固定術を行います。
次いで九州大学整形外科の福士先生が足の腫瘍の講演です。痛みを伴う腫瘤と痛くない腫瘤があり、X線像では骨腫瘍の診断では骨膜反応と骨破壊(虫喰い状骨破壊)を見ますが、骨皮質の破壊、石灰沈着は悪性を疑います。生検は針生検と切開生検があり組織診断は臨床像を記載することが重要だそうです。足の悪性腫瘍は10パーセントであり少なくないことを念頭におくことが重要だそうです。
最後の休憩後小児の足スポーツ障害について百武整形外科スポーツクリニックの田中先生の講演がありました。足関節捻挫はほとんどが靭帯損傷であり、特に小児は前距腓靭帯裂離骨折という認識が必要です。診断はX線では描出は工夫が必要でエコーで微小骨折が確認できることがあり、歩けない場合はMRIを勧めギプスを最低4ー6週間行う方が望ましいそうです。骨端症では踵骨のSever病では運動の制限とアキレス腱のストレッチ、Freiberg病は第2-4中足骨に生じ機械的ストレスが原因とされ治療は足底板や超音波、手術例もあるそうです。第5中足骨基部に生じるIselin病も教えていただきました。足根骨癒合症では距踵骨癒合症ではX線でCサイン dorsal talar beak signが特徴で、踵舟状骨癒合症ではanterior nose signが特徴的です。
帰りにゲリラ豪雨に合いましたが博多駅まで戻って大野先生、末富先生らと勉強した後の反省会(といって私と大野せんせいだけビールを飲みましたが・・・)を行い、語り合いました。若いDRと話をして、自分もそのエネルギーをいただきました。
足の勉強がこれだけまとめてできる機会はないので非常に勉強になりました。明日の診療にいかしていきたいと思います。