院長ブログ – ページ 37

次いで獨協医大麻酔科医学教授の山口先生のガバペンチノイドの可能性と課題についてのご講演を拝聴しました。慢性疼痛の治療戦略として神経ブロック、薬物療法、共感傾聴が基本になります。神経障害性疼痛の薬物療法についてはオピオイド鎮痛剤は推奨されずカルシウムチャンネルアルファ2リガンドが神経障害性疼痛のガイドラインでも推奨されています。ガバペンチノイドにはプレガバリンとミロガバリンがあり副作用としてめまい、傾眠、ふらつき、転倒、体重増加、浮腫あります。ミロガバリンは日本で開発された薬剤で維持量が有効投与量まで増量しやすい長所があるということでした。又既存薬プレガバリンなどからミロガバリンへの変更時の安全性有用性を検討 されたMIROP studyという多施設スタディの結果を報告され、ミロがバリンは80%が有効投与量まで増量でき副作用は傾眠、めまいはありましたが中止になる例は少なかったとのことでした。

最後に慢性疼痛における薬物療法の位置付けについて痛みが改善した時には減量休薬を考え、必要に応じて再投与することが望ましく、終わりを見据えた薬物療法を考えることを教えて頂きました。2-4週で用量判定、1-3ヶ月で効果判定、3-6

チームで診る 痛みとこころのセミナーが5/18にウェブで開催され座長として参加しました。九州大学診療内科の細井先生の慢性疼痛におけるチーム医療:心理社会的因子の評価と交流のポイントのご講演を拝聴しました。新しい痛みの分類として痛覚変調性疼痛の分類を紹介され、幼少期、学童思春期、家庭や職場でのストレスなどのスリーヒット仮説と医療現場における4th ヒットとしての医療不信を生じることを示されました。小児期の虐待など家族の問題、学校でのいじめなどの問題、職場でのパワハラなどが慢性疼痛の原因となり過活動や不活動など生じるメカニズムを解説されました。実存的苦悩と身体の痛みを評価して過活動の場合にはページング、不活動に対しては自己効力感を高めたりする認知行動療法の手法も紹介され、失感情症(アレキシサイミア)、失体感症(アレキシソミア)などの解説もして頂きました。又慢性疼痛の病態分別の評価法としてPRISMという患者の病気に対する苦悩の大きさを評価する手法を用いておられるとのことでした。慢性疼痛の治療戦略として痛覚伝導系の亢進には鎮痛薬の適切な処方、痛覚抑制系の機能低下には適切な休息安心感を与えることの必要性を教示されました。

心療内科では担当医のこころの引き出し方で痛みが和らぐような治療ができるようチーム医療の重要性、心理カウンセリングによる患者の視点の変化を促していくそうです。

5/6から開院以来初めて休診する事態(コロナ感染)を自ら引き起こしてしまい、患者さん、スタッフ、関係者各位に大変ご迷惑をおかけしました。10日間の自宅待機期間は今となってはあっという間に過ぎてしまった感があります。本日はN95マスク着用してフェイスシールド 、手袋着用して(患者さんに不安を与えないようにするためです)臨みましたが、患者さんも温かい言葉をかけていただき感謝の気持ちでいっぱいです。仕事できる喜びを噛みしめながら体力的には少しキツかったですがスタッフの協力のもと無事終了することができました。明日からも頑張りますのでよろしくお願いいたします!

 

最近読んだ、というよりオーディブルで聴いた本で柚木裕子の「ミカエルの鼓動」を聴いての感想です。。心臓外科医の西條はロボット手術ミカエルの第一人者として将来を期待され北海道の大学病院で腕を日夜手術に励んでいましたがある日病院長が招聘した心臓外科医真木と対立しつつも共感するところもありました。その後ミカエルに不具合があることを知りながら患者の手術には臨んだ西條がとった行動とは…医師は命とどう向き合うべきか?問う作品でリアルな手術の描写にも感動しました。柚木裕子さんの作品は初めてでしたが他の作品も読みたくなりました。オーディブルはクリニックの行き帰りなどを利用できるので最近ハマっています。

5/1恒例の一日詣に山口大神宮を訪れました。内がありと下宮の扉が開いているのが印象的でした。朝から清々しい気持ちになりリフレッシュされました。

熊本の同級生からもらった日本酒にはまりました。山口の日本酒ももちろん大好きですが花の香酒造の花の香には別の魅力を感じました。実はこちらの社長さんは獺祭に修行に行かれていたそうですが、獺祭より東洋美人に近いのではないかと思っています。(あくまで私見です)飲みすぎないよう注意しています。

4/23 東京大学スポーツ先端科学連携研究機構公開シンポジウム「筋肉の時代へ」をオンラインで拝聴しました

基調講演で東大でボディビル部を作られた筋肉研究の第一人者である石井直方先生の講演があり、その後筋肉の研究の最前線の先生のミニレクチャーがありました。

ついで3人のパネリストが日本柔道連盟でも海外選手に対抗するために筋トレの重要性が注目されメダルにつながったことも講演され、又高齢者の筋トレの有用性について亀岡スタディを紹介され活動量の増加とスロトレを基本としたレジスタンストレーニングにより新規介護認定を30%抑制したとの結果を示され、若い痩せすぎの女性の筋肉量低下に対して自重トレーニングでも筋肉の量と質を改善できることを示され筋トレの有用性をあらためて認識しました。

筋トレをやる方が経年的に増えていること、筋肉体操で有名な谷本道哉先生のお話もあり学問的に正しいことを普及すること、勧める運動は自分でもする、こだわりが強すぎて独りよがりにならないことをお話しされました。

小児運動器疾患指導医師管理セミナーをウェブで拝聴しました。講師は国立三重病院の西山先生で小児運動器疾患の診察の基本(触診、可動域判定は検測から行う)、X線撮影は左右を比較することなどから筋性斜頸、先天性股関節脱臼、くる病、若年性特発性関節炎(JIA)、化膿性関節炎など小児の基本疾患について学習しました。