7/18骨粗鬆症性椎体骨折の病態と最近の治療のシンポジウム発表

7/18骨粗鬆症性椎体骨折の病態と最近の治療のシンポジウムで私が最初の演者でした。骨粗鬆症性脊椎骨折の診断について発表しました。次いで高岡市民病院の中野先生が 遅発性神経障害の病態について発表され、椎体内の不安定性などが原因とされますが先生らの研究は座位前屈と仰臥位での椎体不安定性と神経麻痺の関連で脊柱管占拠率が45パーセント以上で有意に高く、神経根症状を来すものは椎体後弯変形が関与していた。椎体後壁損傷例、MRIでの信号のタイプがあり、中下位腰椎骨折に対してバルーン椎体形成術やテリパラチド使用で対応できる可能性があるとのことでした。次いで骨粗鬆症性椎体骨折の早期介入保存療法で山形脊椎センターの武井先生の報告は発症後2週以内のほうが後壁損傷の割合が少なく、後壁損傷のない骨折が骨癒合率が高く、外傷のない骨折例でも入院したほうが高い骨癒合率が得られたとのことでした。川蔦整形外科病院の宮本先生が保存的治療と自宅復帰について発表され、入院して3週間の保存的治療で77パーセントが自宅復帰可能であリ、早期の起居動作や移動手段獲得のリハビリが重要とのことでした。函館中央病院脊椎センターの金山先生がバルーン椎体形成術治療について発表されました。テリパラチドを新鮮椎体骨折に使用することで骨癒合率が有意に高く、偽関節例が少なくなっていますが、保存的治療でも疼痛が改善しない例では不安定性の強い症例を除いてバルーン椎体形成術を行い、除痛効果は良好で後弯変形は直後よくなりますがその後進行し 続発性骨折が13パーセントでした。最後に北海道大学の須藤先生が前方除圧再建術と椎体形成併用後方除圧固定術の比較されました。成績に有意差はなく、前方法は後方法より有意に出血量が多く、骨粗鬆症強い症例は注意が必要とのことで侵襲の少ない後方法を推奨されました。その後壇上に演者が上がって座長の鎧先生からの質問に答えましたが早期発見して早期保存的治療を行い、まとめとして骨粗鬆症治療を継続することが重要であることで締めくくられました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。