地域医療支援病院医療研修会

8/23地域医療支援病院医療研修会が宇部であり参加しました。宇部興産中央病院神経内科の多田先生、脳神経外科の島袋先生、山口大学整形外科の西田先生の講演を拝聴しました。
運動失調では歩行時のふらつきが特徴で脊椎、関節、薬剤性でなくめまいありなら神経内科か内耳検査が必要です。めまいなく四肢筋力低下あれば脊椎疾患、無ければ小脳性、指鼻試験 かかと膝試験 線引き試験、前腕回内回外試験 、反復拮抗運動障害、協働収縮不能 (腕を組んだまま起き上がれない)、体幹失調は体幹平衡障害としてはつぎ足歩行 Mann testがあります。歩行は 歩幅 歩隔を見ることが鑑別点です。小脳性運動失調には一次性 として脊髄小脳変性症 、多系統萎縮症として二次性 アルコールなどがあります。
特発性正常圧水頭症は脳室の拡大があり、交通性では特発性と続発性 加齢により髄液の産生吸収のバランスが崩れて生じ、非交通性 では小児水頭症に代表されます。歩行障害、認知症、排尿障害が特徴で歩行は開脚 小刻み すり足で60-70代に多く、画像所見ではMRI冠状断 でDESH くも膜かくうのアンバランスが特徴です。診断はタップテスト 髄液30ml穿刺して症状改善あれば手術 適応があり、腰椎腹腔シャントが主流です。
脊髄病変のその特徴と落とし穴では神経障害とは静的圧迫、動的圧迫、血流障害、加齢で生じるものに分類されます。画像所見と診断予後が一致しない、頸髄と胸髄病変の鑑別点、頚椎JOA10点以下胸椎7点以下が手術適応、しびれ は自覚的、他覚的しびれがあり、しびれは初発症状の80パーセント、臀部下肢のしびれ(特にこうさく)は頚椎から腰椎どこでも生じじます。側索障害では階段下りができない、後索 障害ではRombergが特徴です。手のしびれ 、巧緻運動障害、上肢位置覚 としての指探し試験があります。画像はあくまで補助診断であることを強調されました。終了後に山口大学整形外科の西田先生と少しお話でき勉強になりました。

 

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。