第73回 妊娠授乳関連骨粗鬆症

骨粗鬆症は閉経後の女性や高齢者男性に生じることは以前述べましたが、妊娠出産前後に骨粗鬆症が生じることはあまり知られていませんので紹介します。妊娠中は胎盤から大量のビタミンDと女性ホルモンであるエストロゲン分泌されることで骨量を維持しますが、妊娠後期、授乳時にカルシウムの需要が増加し、ビタミンD、エストロゲン分泌低下により、腸管からカルシウムの吸収が低下して急激な骨量低下が生じます。(1ヶ月で2-3%低下すると言われています)この時期(妊娠後期や分娩後半年)に急性腰痛や背部痛で受診される女性で脊椎圧迫骨折が生じることがあり、これが妊娠授乳関連骨粗鬆症です。治療は脊椎骨折にはコルセット、安静ですが、骨粗鬆症治療には断乳してビタミンDの内服治療が一般的ですが

骨密度低下高度例ではビスフォスフォネート製剤、テリパラチドといった薬剤も使用します。日本での論文では妊娠関連骨折は0.048%、脆弱性骨折は0.016% 脆弱性椎体骨折は0.0069% と推計されるとのことで頻度は低いのですが、妊娠出産で腰痛背部痛が増強した場合には整形外科にご相談ください。(X線ではっきりしなくても骨密度検査で低く、脊椎骨折が疑われる場合にはMRI検査をおこなうことで確定診断できます)