第38回 スポーツ庁の平成27年度運動能力調査結果より

鈴木大地氏が長官を務めるスポーツ庁が平成27年度運動能力調査結果を10/11に発表しました。昭和39年東京五輪から始まって52回目で6~79歳の約7万4,000人を対象に実施されました。体力テストの内容は握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とひ?、20mシャトルラン、立ち幅とひ?と平成11年度から導入された加齢に伴う新体力テストがあります。新体力テストとは6-11才は50m走、ソフトボール投げ、12?19才は50m走、ハンドボール投げ(50m走と20mシャトルランは選択)、20-64才は急歩(男子1,500m,女子1,000m) であり(急歩か20mシャトルランは選択)、65-79才はADL(日常生活動作)テストという問診を行い握力 、上体起こし .長座体前屈、 開眼片足立ち 、10m障害物歩行、 6分間歩行 の中から実施する項目を決定し、各項目の成績を10点満点で得点化し、実施項目の点数を合計します。

運動・スポーツを週1日以上実施した人の割合は、女子は10歳の83.6%がピークとなり、高校時代に大幅下落します。18歳で全ての年代を通じ最低の33.7%に落ち込み、40歳代後半で底(45.9%)を迎える男子よりも早い段階で運動から離れており、50歳代以降では男子を上回ります。原因として女子は思春期の身体の変化などから運動を避け、20歳代以降は仕事や育児で忙しくて運動する時間のないことがあるそうです。

昭和60年度と比較すると、男子では運動実施状況に大きな変化は見受けられませんが、女子については10代後半から20代の若い世代で、運動・スポーツを実施している人が大幅に減少しているため、青少年を含めた生涯を通じて運動習慣を継続させていくための対策が重要であると述べてあります。また子供の体力・運動能力は昭和60年頃と比べると依然低い水準にありますが、よく運動している子供に比べ、あまり運動していない子供がより低下しているので、今後は運動が不足しがちな子供たちへの対策が重要であるということも述べられています。

一方で65才以上の高齢者の体力が向上しており、体力テストの平均合計点は65~69歳の女子、75~79歳の男女で過去最高となったそうです。 運動習慣は生涯を通し?て持ち続けることか?重要て?あり、過去の運動・スホ?ーツ経験か?ない人て?も、現在実施することにより体力や健康によりよい影響を与えることか?て?きるそうです。この結果から言えることは、運動習慣は何才から始めても遅いということはないので、この記事を読んで運動しようという気持ちになられた方は是非散歩など行動を起こしていただけると幸いです。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。