山口県臨床整形外科外科医会教育研修小児疾患の超音波診断とリウマチ治療戦略

  • HOME
  • ブログ
  • 院長ブログ
  • 山口県臨床整形外科外科医会教育研修小児疾患の超音波診断とリウマチ治療戦略

11/13 山口グランドホテルで山口県臨床整形外科外科医会教育研修会があり参加しました。最初に島根整肢学園の星野先生の小児整形外科疾患と超音波検査を拝聴しました。

股関節脱臼におけるグラフ法について詳しく解説されました。又股関節液の貯留にもエコーは有用です。肘内障の診断も関節内血腫の有無、Jサインを確認できます。足関節捻挫も靭帯損傷だけなのか、X線でも特殊な撮像をしないと描出困難な薄い剥離骨折を合併しているかの診断も可能です。

次いで金沢医大の松下先生の関節リウマチ診療ガイドライン2020からみたRA治療戦略のウェブ講演を拝聴しました。日本で作成された関節リウマチガイドライン2020作成の流れと薬物療法、非薬物療法について講演されました。薬物治療についてはMTXを第一選択(使用困難な場合DMARDS)を使用し治療目標が達成されない場合にはバイオ製剤、JAK阻害剤を使用して治療目標を達成しないときには治療薬の種類を変えるという治療の流れを提示され、ステロイドや消炎鎮痛剤は補助的治療ということも示されました。バイオ後発品に関しては先発品とほぼ同等の効果を期待でき、JAK阻害剤は安全性の面で長期成績が出ていないとのことでした。非薬物治療では薬物治療は基本ですが関節内注射や運動療法の有用性、外科的治療では人工関節置換術が代表的な手術となりますが関節固定術なども患者さんの希望、進行時期に合わせて選択することも提示されているとのことでした。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。