第14回やまぐちスポーツ整形外科フォーラム長州スポーツ整形塾

第14回やまぐちスポーツ整形外科フォーラム長州スポーツ整形塾が山口グランドホテルであり参加しました。わだ整形外科クリニック院長和田誠先生の「肉離れに対するPRP,ハイドロリリースの実際」の講演を拝聴しました。肉離れのエコーはMRIと同様に診断に有用なツールです。大腿直筋は起始が下前腸骨棘と寛骨臼で膝蓋骨と大腿骨が停止部です。肉離れは筋内腱の解剖が重要です。MRI分類の奥脇分類のタイプIの軽傷でもエコーで筋内腱外側に損傷がある症例は復帰を慎重に行う必要があるとのことでした。ハムストリング肉離れも頻度が高く半膜様筋と半腱様筋は坐骨結節が起始部が別れており両起始部が断裂したり共同腱部の断裂は3ヶ月以上スポーツ復帰困難例は手術が必要とのことでした。エコー評価のコツは単軸で診て長軸で筋損傷の程度を見ていくそうです。ハイドロリリースは肉離れ後に坐骨神経と癒着して痛みが残存する場合に適応がありリハビリでモビライゼーションも行うと効果的とのことでした。

次いで札幌医大整形外科寺本教授の「スポーツ活動に伴う足関節の外傷と障害」を拝聴しました。スキーチームのオリンピック帯同も多数経験された先生のお話でした。足関節捻挫は幅広い年代で多く内がえし(回外)捻挫と外がえし(回内)捻挫と定義されています。うち返し、外返し、内反、外反ではないことも強調されました。新鮮例で軽傷ではPOLICE(適度な荷重や負荷を早期に行う)、重症例では初期固定後可動域、背屈位で荷重訓練を行うそうです。エイトフィギュアキャストを教えて頂きました。最近問題になっている足関節捻挫後慢性足関節不安定症CAI(chronic ankle instability)についても解説して頂きました。givi giving wayの症状、先生が開発された前方引き出しテストを定量化する器械も紹介して頂きました。エコーによる評価で靭帯損傷か腓骨の剥離骨折かを鑑別できます。手術適応はリハビリをしっかりしても患者の不安定感と医師の診断が一致することです。手術は靭帯が残っていれば足関節鏡視下で行われるそうです。足関節捻挫後の痛み取れない場合に足根骨癒合症、距骨骨軟骨損傷、足関節後方インピンジメント症候群の合併も教えて頂きました。遠位脛腓靭帯損傷は背屈と足部外旋で生じsyndesmosis損傷と言われエコーでの診断で外旋ストレスで3mm以上開大あれば手術適応とのことを教えて頂きました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。