山口県脊椎手術連携フォーラムがありウェブ参加しました。山口大学整形外科の藤本先生の脊椎手術のリスクを減らすには?という講演で骨粗鬆症術前評価と術前骨粗鬆症治療(特に骨形成促進剤での治療)の重要性をお話しされました。講師は慶應大学整形外科の渡辺航太先生で骨粗鬆症時代の脊柱変形手術:術前からの包括的アプローチのお話を拝聴しました。成人脊柱変形では保存的治療でのQOLは改善が乏しく、手術的治療が選択されることがありますが高齢者が多く合併症も多いとされます。手術の目的として疼痛改善と機能改善を目的となり変形矯正固定術を選択する場合が多いので手術のメリット(歩行能力改善、姿勢保持改善、運動耐用能改善など)、デメリット(和式生活困難ん、爪切りできない靴下履けない等)を説明した上で患者さんに選択していただくことが肝要とのことでした。術後proximal junctional kyphosisや骨折などリスク減らすために固定範囲をどこまで行うかについて議論されていますが先生は術後アライメントの変化を考慮してできるだけ下位胸椎までの固定で対応されるとのことでした。矯正力の大きい手術は手術の侵襲性も大きいのでできるだけ侵襲の少ない手術を第一選択されるそうです。手術の合併症として神経損傷(12-22%),血管損傷(0.4%)腸管損傷のリスクと合併症対策についても解説されました。最上位胸椎の椎弓根スクリューは短く、後方テターリング併用、腰椎前弯は下位腰椎で獲得する、術前3-6ヶ月前に骨粗鬆症治療としてなるべくテリパラチドを使用するなど手術での工夫を教えていただきました。矢状面バランスと冠状面バランスを考慮しながら手術計画を立てることも教えていただきました。