12/22維新ホールで小児股関節エコーセミナーに参加しました。通常2日間のコースを5時間で行うコースですが今回は1日コースでした。
山口大学整形外科黒川先生の山口県の動向について講義されました。山口県は一年で約7000人出生がありR3で山口市は年間1225人で1ヶ月検診は1200人が受けるとのことでした。3-4ヶ月、7ヶ月検診もほぼ全員受けられ1,3ヶ月検診で先天性股関節脱臼のチェックがあり疑いがあると整形外科を受診されます。山口大学整形外科小児外来では3年間で14例ありうち脱臼が2例とのことでした。星野先生の股関節エコーの要点を解説されました。赤ちゃんを側臥位として大転子直上にリニアプローブを置き冠状断走査を行う方法で15の解剖学的同定をマスターし腸骨下端、腸骨外縁、関節唇の3つを同時に描出する、3本の線からなる2つの角度を加味してGraf分類を行うのが要点です。エコーの基礎とアーチファクト(サイドローブ、多重反射、エコーの途絶アコースティックシャドウ)も教えて頂きました。次いで股関節の解剖の講義がありました。小児の股関節は軟骨成分が多く大転子、Y軟骨、股関節包、股関節唇、軟骨膜、ダイ大骨頭靱帯、peripheral gap(最近のエコーでは連続)を詳細に教えて頂きました。
次いで青木先生のグラフ法による超音波診断の講義がありました。日本で股関節脱臼の診断が一才以降になる率が日本で15%とのことでリスク因子(股関節開拝制限と大腿または鼠径部しわの非対称の二つのリスク因子があれば画像評価をすること、エコー当てる時のコツ、むきぐせと反対側の股関節脱臼が多いと教えて頂きました。大腿骨頭核の位置、股関節被覆率で脱臼を判断してはならない、タイプIに見えない時は脱臼を疑い専門医紹介することを勧められました。参加者全員に違うエコー画像で解剖を唱和するスパルタ方式で鍛えられました。
昼飯を食べながらグラフ法の超音波エコー台(エアーぺコラ)を開発された藤原先生のランチョンセミナーがありました。先天性股関節脱臼は現在は発育性股関節形成不全(DDH)と命名されました。DDHはコアラ抱っこの仕方を指導、普及させたことで発生率は劇的に減少しましたが最近の傾向は一才以降に診断されるケースが多く今後の課題としては早期発見の必要性があります。X線撮影は生後数ヶ月は軟骨成分が多いため診断が難しくエコー診断が重要です。先生の開発されたぺコラはビーズが入っていましたが現在は空気を入れるタイプのエアぺコラを紹介されました。(当院で購入しました)エコーによるグラフ分類についての解説を教えて頂きました。グラフ分類ではタイプI、II、IIc、Dは臼蓋中心画像、タイプIII、IVは骨頭中心画像とのことでした。IIc、Dはもやっとする境界領域といわれます。
ファントムでの訓練の後、ボランティアの赤ちゃんに直接エコー検診させて頂きました。