九州沖縄地区OLS研究会ウェブセミナー

11/26小郡で九州沖縄地区OLS研究会ウェブセミナーがあり参加しました。サンライズ酒井病院薬剤部の大野先生が「OLS における治療薬中止症例の検討」について発表されました。サンライズ酒井病院骨粗鬆症センター骨の駅というセンターを立ち上げられ、OLS治療172例中13例の中止例について検討されました。男女間、椎体骨折と大腿骨頸部骨折間、年齢別には有意差はなかったとのことです。自院より他院の方が中止が多かったが有意差はなく、患者の自己判断で中止する例が多かったそうです。3ヶ月までの中止例が多くこの時期の積極的介入が必要であり、患者自身の問題と他院医師との連携が必要であり、特に包括施設での骨粗鬆症治療に対する温度差がある問題点を指摘されました。サンライズ酒井病院リハビリ部の本郷先生が「脆弱性骨折後の再骨折予防ー運動介入の効果と限界」について発表されました。運動療法の継続的介入機会が少ないこと、運動療法介入による骨密度上昇、転倒予防、バランス訓練は肯定的と否定的な報告があります。開眼片脚起立、スクワット、踵落としなどを行われ、運動療法継続の為に入院早期のみでなく、退院後も身体機能評価、転倒リスク評価などを3ヶ月おきに介入された結果、薬物治療開始率は80パーセントで継続率も80パーセントという結果を報告されました。次いで三財病院の井上看護師が「当院における注射製剤の管理・工夫」について発表されました。注射剤が432例あり、パス、患者ノートを作成して入院から外来まで継続して行われていることを具体例をあげて紹介されました。カレンダーに注射剤を色分けしていることは参考になりました。最後に三財病院整形外科の松本先生が「当院における骨粗鬆症治療注射剤の現状」について講演されました。宮崎県は健康寿命四位であり、日本一を目指されているそうです。(ちなみに山口県は7位でした)フォルテオ142例あり、終了後プラリア治療で継続する患者さんが多いそうです。最近発売された骨粗鬆症注射剤リクラストも骨密度増加が期待ができるそうです。また金沢地区の取り組みとしてかかりつけ調剤薬局でFRAXを行いリスクが高い場合は整形外科での骨粗鬆症精密検査を勧めて骨粗鬆症予防に努めている取り組みを紹介されました。又医科と歯科との連携(合同勉強会)にも取り組まれており、見習うことがありました。


 

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。