第二回中国ブロック慢性疼痛診療研修その一

1/10()日本いたみ財団主催の第二回中国ブロック慢性疼痛診療研修会にオンラインで参加しました。山口大学整形外科鈴木先生から慢性疼痛のICD11の新しい分類を紹介され、整形外科的な疾患として慢性一次性、二次性筋性骨格痛、慢性術後疼痛・外傷後、疼痛、慢性(中枢性・末梢性)神経障害性疼痛、複合性局所疼痛症候群(CRPS)に細分化されることを解説していただきました。又慢性疼痛を生じる整形外科的な代表疾患(変形性膝・股関節症、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、骨粗鬆症性脊椎圧迫骨折など診断、治療についても教えて頂きました。次いで山口大学の田原先生の痛みの多面的評価についての講義がありました。痛みの性状をメタファー(刺すようななど比喩表現)、オノマトペ(ズキズキ、ジンジンなどの表現)で評価する方法、痛みの定量評価でstatic QST(PPT圧痛閾値)、dynamicQST(反復侵害刺激で痛み増強しwind up現象が起こる)、PCS(痛みの破局化スケール)HADS(不安抑うつ評価)、疼痛特異的評価法(PDAS,PBI,SF36,RDQ,EQ-5D),身体機能評価・パフォーマンステスト(ファンクショナルリーチ、TUG)など教えて頂きました。女性の方が痛みの閾値が低く、上行性伝導路が伝わり易く下降性抑制が弱いとのことでした。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。