谷先生の講演〜エコーで診る乾癬性関節炎〜

11/26 長門病院整形外科の谷先生のエコーで診る乾癬性関節炎をウェブで拝聴しました。乾癬性関節炎は診断が難しいのですが進行すると身体障害が強いので早期発見、早期治療が重要だそうです。乾癬の15パーセントに合併する脊椎関節炎が体軸性と末梢性に分類されます。乾癬は皮膚科疾患ですが関節炎から発症することがあるので皮膚科とリウマチ専門医との連携が必要とのことでした。手指末梢のDIP関節が好発部位で腱や靭帯の付着部炎が主体で指趾炎であり腱の付着部炎です。症状は乾癬が最初でその後関節炎に移行し爪病変(爪のくぼみなど)もあり、皮膚科の先生ではPESTという痛みの問診も診断の参考になるそうです。X線写真は早期診断には有用ではなく、造影MRIはコストの問題があるので先生はエコーを利用しておられます。特に指肢炎のエコーでの病態は伸筋腱の付着部炎や腱の滑膜炎が主体であるとのことです。谷先生の乾癬性関節炎の治療目標は発症前の状態に戻ることであるとのことで、関節リウマチに造詣の深い谷先生のエコーを有効に使用されておられ勉強になりました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。