神園淳司先生の「子ども虐待医学 基本的な姿勢と考え方」を拝聴

2/20 山口市医師会館で聖ルチア病院精神科の神園淳司先生の「子ども虐待医学 基本的な姿勢と考え方」を拝聴しました。基本的な姿勢と考え方は「助けて」が言える関係を育むことであるとのことでした。2024年日本の現状ではいじめが70万件、不登校が30万件、虐待20万件、自殺500件あり不安障害の子どもに適切な治療が届けられていないことも要因とのことです。子どもの不安障害とは回避行動、身体症状、睡眠・摂食障害など回避できない不安による慢性的な刺激が爆発性と反抗的行動につながるそうです。子どもの不安障害に、急性期の15分間に不安への共感と傾聴をしてあげることが肝要とのことです。自傷行為は400-700倍の自殺の高リスクです。自殺を決意してから実行する時間は1時間以内と早いとのことでしたが自殺未遂の数週間から精神症状と身体症状が出ることが多いそうです。自殺の原因は60%は不明ですが精神疾患が要因になることは多いそうです。児童虐待とは身体的虐待、ネグレクト、心理的虐待、性的虐待に分類され慢性化率が高く社会への負の影響が大きいとのことでした。虐待対応のキーワードは子どもの安全であり警察との連携も必要です。虐待診療のコツは身体所見と環境を見る、保護者、患児の発言を鵜呑みにしないこととのことでした。乳幼児の外傷は受傷前後の位置姿勢など養育者の語りは重要とのことでした。子どもの精神療法で子どもの心の声に傾聴する、内容をしっかり受け止め支える、理由や背景を共に探す、成長することに付き合うといった4つのステップを教えて頂きました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。