骨粗鬆症連携フォーラムー地域の骨粗鬆症治療を考えるー

5/17宇部アナクラウンホテルで骨粗鬆症連携フォーラムー地域の骨粗鬆症治療を考えるーがあり参加しました。山口大学整形外科三原先生の骨粗鬆症の逐次療法〜人生100年時代を見据えた長期治療〜を拝聴しました。

骨粗鬆症の治療目標としていかに早くYAM70%に到達できるか?を目指して骨吸収抑制剤と骨形成促進剤を選択するとのことでした。一種類の治療薬では長期間の治療は難しく逐次療法は必須であるとのことでビタミンD3製剤は骨吸収抑制剤投与時には併用が望ましく全期間を通して基本となる薬で、デノスマブはどの薬剤からスイッチしても骨密度が増加しますがデノスマブからテリパラチドにスイッチすると骨密度が低下するので注意が必要です。アナボリックファーストの考え方に基づき骨形成促進剤使用後に骨吸収抑制剤を使用することが推奨されています。人生100年時代の骨粗鬆症治療薬の使い分けを提示して頂きました。

次いで鶴上整形外科鶴上浩先生の二次骨折予防における病院と診療所の役割〜骨折予防ができる治療連携の構築〜をウェブで拝聴しました。大腿骨近位部骨折の発生は世界的には減っていますが日本では将来高齢化が進行することで増加するとのことで骨折予防としても骨粗鬆症治療が重要となります。骨折の危険性が高い重症骨粗鬆症症例はクリニックで39%であったという報告があります。骨折の危険性が高い骨粗鬆症患者さんにはリモソズマブとテリパラチドを適応を考えて投与されるとのことでした。先生のクリニックでは骨粗鬆症治療継続率が9割以上で注射製剤でも8割あるとのことでした。骨粗鬆症治療継続において内科かかりつけ医と整形外科の連携として自院で骨密度測定のみ行い治療薬は内科で処方してもらい連携をされているとのことでしたのでこちらも大変参考になりました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。