日本臨床整形外科学会にて 脊髄再生医療に期待

7/16-17日本臨床整形外科学会が札幌であり参加しました。札幌医大の山下教授の講演で脊髄再生医療ー医師主導治験の概要と現状ーについてでした。2014年から脊髄損傷患者さんに自己培養間葉系幹細胞の経静脈的投与の臨床試験の結果を報告されました。脊髄損傷の再生医療は臨床の現場で手術をする脊椎外科医にとっては患者さんと共に期待する医療であります。現在の治療は急性期に外科的手術(除圧術と固定術)とリハビリテーションしかありませんでした。神経脊髄の再生医療としては神経幹細胞、ES細胞、iPS 細胞などがありますが、山下教授らのグループは骨髄間葉系幹細胞を用いて脳梗塞、脊髄損傷の動物実験で基礎的研究を重ねてこられました。特徴的なのは他の治療法は脊髄の損傷部位に直接移植したり脊髄液内に注入する方法がとられましたが、この治療法は静脈内で効果があること、すなわち患者さんの負担が少ないことが非常に画期的です。動物実験でも脊髄空洞化の改善や脊髄脳関門の修復、脱髄軸索の再有髄化がが行われることが確認されました。次いで薬事法の元に医師主導治験を行われ、現在フェイズ2まで進んでいます。治験は頸髄損傷後二週以内(部分損傷でAーCの重度)で骨盤の腸骨から骨髄液を採取して培養して40日後に静脈内投与して半年後に評価されました。現在9人の方に投与され運動機能と知覚機能の改善が認められました。投与後翌日から上下肢の著明な改善が得られた方が2名ありこれは非常に衝撃的でした。北海道内の患者さん以外でも受け入れを行われメディカルウィングという医療用航空機も利用できるとのことでまだ臨床治験の段階なので自賠責保険が不可であることやその他条件がありますが、治験が終了して薬剤が認可されるのはまだまだ時間がかかりますが医薬品として厚労省の先駆け審査に通ったとのことで2017年に認可される可能性もあり、非常に期待できる治療法であると感じました。