運動器と痛みの国際シンポジウム in 山口

7/13運動器と痛みの国際シンポジウム in 山口  で講演を拝聴しました。Dr.WilliamsonのIs back pain in the back or the brain? Searching for the sourceという演題でした。
1664年nociceptive pain という概念が提唱されましたが慢性疼痛はneuropathic pain が多く、先生のクリニックにきた慢性腰痛で椎間関節痛40パーセント椎間板性疼痛26パーセント仙腸関節痛2パーセント神経根性16パーセントという結果でした。Neuropathic pain 分類で腰痛のみより臀部から下肢に放散痛が多いという結果でした。
central sensitization. referred painといったキーワードについて解説されました。慢性腰痛の患者の脳の変化は可逆的であるとのことでした。最新の研究で脳に複雑な回路が形成されneurotagと言われており、疼痛不安などの回路が繋がっています。侵害受容性疼痛の信号が脳に投射されますが、誤って他の部位に投射されると痛みを違う場所で感じてしまったり、疼痛を強く感じてしまうこともあるそうです。腰痛患者は自分の腰の位置がどこにあるか自覚することが難しくじぶんのbody image がわからなくなるそうです。
将来的治療としてバーチャルリアリティを利用した慢性疼痛治療についても紹介されました。
講演終了後講師の先生を囲んでお話を聞きましたが、大学の鈴木先生が流石に留学帰りでもあり、ペインセンターで第1線で活躍されているので非常に流ちょうな英語でコミュニケーションをとられている姿をみて頼もしく思いました。


 

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。