やってはいけないウォーキングを読んで

青柳幸利( 東京都健康長寿医療センター研究所  )先生の「やってはいけないウォーキング」を拝読しました。
青柳先生は群馬県中之条町の65歳以上の全住民5000人を15年以上身体活動と病気予防の関係を調査して病気にならない歩き方を提唱され、そのメッツ健康法は厚労省の運動処方ガイドラインにも取り入れられているマスコミでも注目の健康法です。体力とは筋力、柔軟性、持久力(スタミナ)  、平衡性 (バランス) 、全身協調性からなり、歩行機能は全身協調性を示します。
運動する目的は生涯の健康を保つためであり、ほどほどの運動が健康に良く、推奨されるのは1日24時間の歩数8000歩と中強度の運動20分だそうです。中強度の運動とは最大酸素摂取量の40~60パーセントでなんとか会話ができる程度の早歩きであり、汗ばむ程度は体質や季節に左右されるため参考にならないそうです。平均気温が1度上がると免疫力は60%アップし、体温は夕方から就寝前に低くなるため夕方17時からがお勧めで、起床後、就寝前1時間以内の運動は避けるほうがよいとのことです。1日8000歩/20分のウォーキングを2ヶ月続けると長寿遺伝子にスイッチが入そうです。うつ病予防には1日4000歩/5分以上のウォーキング、認知症、心疾患、脳卒中予防には1日5000歩/7.5分以上のウォーキング、がん、動脈硬化、骨粗鬆症予防には1日7000歩/15分以上のウォーキング、高血圧、糖尿病予防には1日8000歩/20分以上のウォーキング( 食後1時間で開始)をすすめられており、ご自身の研究データの解析結果を基にしたデータですので非常に信頼ができると思いますので参考にしてください。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。