習田先生の疼痛治療のパラダイムシフト サインバルタ400例からの提言を拝聴しました

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2/24 運動器疼痛カンファレンスが山口グランドホテルであり、寝屋川ひかり病院の習田先生の疼痛治療のパラダイムシフト サインバルタ400例からの提言を拝聴しました。
座長の山口済生会総合病院整形外科岸本先生の恒例の演者紹介から始まりました。サインバルタの効く理由、投与のタイミング、などをお話しされました。サインバルタを処方数が200例に増加することで副作用が増加したそうで原因としてラポールの形成が不十分であったそうですが400例になると副作用も減ってきたそうです。慢性疼痛の初期の段階で投与する(感作が進行する前に)と副作用が少ないそうです。急性疼痛が軽減したがADLの障害が出てきた方に処方することもポイントだそうです。サインバルタの副作用は悪心、口渇、傾眠が多いのですが痛みの改善があることを聞くと改善例があるそうです。患者さんの訴えは痛みよりどんなことに困っているか?を聞く必要があり、中・長期目標を設定することも必要だそうです。RDQ24をかいてもらうことでどんなADL障害が可能となったか?を知ることができます。従来の抗うつ薬として捉えるのではなく、下降性疼痛抑制系を賦活化する作用が大きいのでADL・QOL改善薬として投与するそうです。
サインバルタ単独投与の慢性腰痛の成績ではRDQ24では平均4改善したそうです。腰痛の持続や睡眠障害が最もよく改善され、6ヶ月投与することで24項目中14項目改善したそうです。変形性膝関節症での慢性膝痛では半数以上がJCOMが30以上改善したそうです。
その後の講師を囲んでの話でも本音を聞かせて頂き参考になりました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。