痛みを考える会in吉南

痛みを考える会イン吉南がKDDI維新ホールであり参加しました。講師は小郡第一病院整形外科米村先生が「慢性疼痛を来す腰椎疾患についてー神経障害性疼痛を中心に」を拝聴しました。痛みの分類(急性、慢性、侵害受容性・神経障害性・痛覚変調性)、疫学、慢性疼痛のメカニズム、腰椎疾患での神経障害性疼痛の中でも代表的な腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアの症状、治療(投薬、ブロック、手術)について解説をして頂きました。

次いで山口大学整形外科西田講師で「山口大学脊椎脊髄外科外来 症例紹介からみる鑑別疾患と疼痛アプローチ」を拝聴しました。診断に悩む症例について提示されました。感染性心内膜炎による化膿性脊椎炎、第1/2腰椎椎間板ヘルニアの脱出例(腫瘍との鑑別)も勉強になりました。神経障害性疼痛の症状(特に自覚的なしびれ)、問診での質問のコツ、画像診断、頚髄症の画像診断(dynamic canal stenosis,不安定性2mm以上、椎間可動性10度以上で手術適応)、手術適応(高齢者では10秒テストが以前20回以下と言われていたが最近は18回以下)、手術術式(山口大学服部式など)を詳細に教えて頂きました。又頚椎神経根症の診断、保存的治療(Miro-Cens studyによるミロガバリンの治療有効例の紹介、頚椎症性筋萎縮症の特徴として回外筋筋力低下、デュロキセチンによる尿閉)、神経内科的疾患(筋萎縮性側索硬化症、CIDP)など脊椎外科医ならではの視点で教えて頂きました。

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。