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第48回 ネガティブ・ケイパビリティ

 整形外科医として運動器(腰痛、頚部痛、関節痛、神経痛など)の痛みのある患者さんと接していて痛みをなんとか治療しようと日々過ごしていますが、中にはなかなか痛みが取れない方に遭遇すると自分の力不足と無力感に苛まれる時があります。そんな時にこの言葉に出会いましたので紹介します。詩人のキーツが発見し、精神科医ピオンにより再発見された言葉で、精神科医の帚木蓬生(ははきぎほうせい)氏の著書(朝日選書)のタイトルで、副題に答えの出ない事態に耐える力とありました。目の前にいる痛みを訴える患者さんに対して医師は問診、診察、画像所見などを駆使して痛みの原因を特定し、治療を提供しようとしますが、このようにできるだけ早く回答を出すことが、ポジティブ・ケイパビリティ(問題解決能力)です。一方でどうしても解決できないときに持ちこたえていく能力がネガティブ・ケイパビリティです。この著書の中に、治療上大切なことは今生じていることを手を加えずに持ちこたえることである、数週間、数ヶ月、数年と治療を続けるうちに何とかなるのが日薬で、患者さんに主治医がしっかり見守っている眼があると伝えることが目薬、あなたの苦労は私がちゃんと知っていますという主治医がいると耐え続けられる、といった内容は痛みの治療を行う上で大いに参考になりました。プラセボ効果についても、ラテン語で「私を喜ばす」という意味であり、プラセボによる鎮痛効果は前頭前野が活性化され、脳内麻薬のエンドルフィンが放出して痛みを和らげるので、体内の自然治癒の仕組みに良い影響を与えるので、プラセボ効果は医学においてもむしろ肯定的に捉えられるようになってきました。医者が患者に処方できる最大の薬はその人の人格である、ということも記されており、患者さんの訴えを真摯に受け止め、(時には早急な答えを出さないで)痛みに寄りそうことも必要であることを痛感しました。