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第44回 フットケアとは?

 先日下関でフットケア講演会があり「整形外科クリニックで取り組むフットケア」という講演をしました。そもそもフットケアって何?と思われる方が多いと思いますので解説するとともに当院での取り組みを紹介します。

 2003年にフットケア学会が発足し、2008年からフットケア指導士認定制度を作ってフットケア指導士を養成し、各地で研究会や講習会を行って普及に努めています。フットケアとは「少しでも長く歩ける足を守り、足から全身を診ること」であり、足の健康維持のためのフットケア(足の観察、保温、保湿など)、足病変のリスクのある足に対する予防的フットケア(靴ずれ、角質肥厚、胼胝、鶏眼の処置)、足病変軽症の場合に行う医療的フットケア(薬物療法、炭酸泉浴など)、中等度から重度の足病変に対する医療的フットケア(バイパス手術や切断術など手術的治療)、対症療法的フットケア(疼痛コントロール、悪化防止)の5段階に体系化されています。足病変とは足のびらん、水泡、潰瘍、感染症、壊疽、変形などを言いますが、糖尿病や閉塞性動脈硬化症を有する場合には足病変を放置しておくと歩行困難となったり、重篤化すると切断や死に至ることもあるので、早期発見、早期治療が重要です。フットケアは医師(内科、血管外科、整形外科、形成外科、皮膚科)、看護師、理学療法士、義肢装具士など多職種で連携する必要がありますが、その中でフットケア指導士は中心的な役目を担いますが、実際には看護師が多数を占めます。整形外科医は以前から運動器の足病変を治療してきました。急性疾患として骨折・脱臼・捻挫(靭帯損傷)、糖尿病性壊疽や足の虚血による切断、慢性疾患として巻き爪、胼胝、鶏眼、変形性足関節症、外反母趾、骨髄炎などの感染、先天性疾患として内反足、扁平足などがあります。私は2012年に山口県実践フットケア研究会に参加してから、フットケアのことを知り、当院でもフットケアに対応できるように理学療法士の林と私がフットケア指導士を取得しました。閉塞性動脈硬化症は3%の頻度ですが、糖尿病患者で5-10%、心血管疾患患者、透析患者では10-20%と頻度が高くなります。一方腰部脊柱管狭窄症の頻度が男女とも10%で推定600万人と言われており、閉塞性動脈硬化症の合併が13-26%あるとされます。当院を受診される下肢痛、しびれ、冷感や間欠跛行(歩行すると下肢痛が強くなり、立ち止まって休むとまた歩けますがそれを繰り返すこと)などの症状の患者さんにおける閉塞性動脈硬化症の頻度と腰部脊柱管狭窄症の合併率を調査しました。血圧脈波検査装置でABI(足関節上腕血圧比)を調べて下肢の動脈の狭窄や閉塞の程度を評価します。0.9以下は閉塞性動脈硬化症(または末梢動脈疾患)と診断して軽症例は薬物療法、中等度から重症例は血管外科に紹介して造影CT検査で下肢動脈の狭窄・閉塞の評価をして手術(バルーンやステントなどの血管内治療かバイパス術など)になることもあります。下肢しびれ、疼痛で2013年4月から2015年9月までで当院を受診された50才以上の924例(男性359例、女性565令、平均年齢71才)の患者さんで閉塞性動脈硬化症と診断したのは55例(6.3%、平均年齢76才)でした。重症度では無症状(疼痛、しびれのみ)36例、間欠跛行18例、安静時疼痛1例で、血管外科紹介が18例(33%)、うち手術を要したのが4例(7%)でした。心血管症状、糖尿病の合併は40例75%、腰部脊柱管狭窄症が23例(42%で)で、脊椎外科紹介で手術されたのが1例(2%)という結果でした。この結果より整形外科クリニックを受診する患者さんで閉塞性動脈硬化症の患者さんを早期発見するのに血圧脈波検査装置でのABI測定は有用でした。また当院での巻き爪治療については以前から爪に2ヶ所穴を開けてマチワイヤーという0.4-0.5mmのワイヤを通して矯正していますが、矯正力は強いのですが、爪を少し長めに伸ばさないとワイヤーがかけれないので、最近では3TO(VHO)というワイヤーを爪に穴を開けずに矯正する方法を行なっています。理学療法(リハビリテーション)ではマッケンジー法に基づくメカニカルな評価、治療を行なっていますが、足の痛みに対しては、足底板療法も行なっています。

 当院で行うフットケアは、フットケア指導士の二人を中心として足病変の診断、治療を行なっていますが、一クリニックでできることには限界もあり、できることをコツコツ積み重ねていきますが、重症例(下肢虚血高度例など)は速やかに山口済生会病院の血管外科やフットケア外来に紹介して病診連携を行っています。