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第18回 慢性腎臓病(CKD)と透析性脊椎症について

 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)は近年注目されてる疾患概念で、腎機能の低下に伴って血管の石灰化を介して心血管リスクが高まるだけでなく、骨・ミネラル代謝異常(CKD—MBD)により骨折リスクも増大することも注目されています。定義は尿タンパク陽性(尿検査)、糸球体濾過率が60ml/分/1.73m2未満(血液検査の腎機能検査で簡易的にeGFRとして表示)が3ヶ月以上持続する病態であり、わが国の患者数は1330万人と推定され70代で30%、80代で40%と高齢になるほど増加しステージが進んでGFRが15未満になると末期腎不全となり血液透析の必要性が高くなります。高血圧、糖尿病の生活習慣病の改善が治療につながり、消炎鎮痛剤(痛み止め)の長期投与によって増悪することからも内科医だけでなく、整形外科医としても注意が必要な疾患です。

 骨粗鬆症と慢性腎臓病は加齢とともに発症が増加し、高齢者では両疾患の併発率が高いので相互に増悪しあう関係にあります。50才以上の閉経女性ではエストロゲンホルモンの欠乏により海面骨の骨吸収が亢進し,骨からカルシウムとリンの放出が増加することで血中の副甲状腺ホルモンが低下し、血中のリンが上昇して腎機能を悪化させることが明らかになりました。この時点では脊椎骨折が生じやすい状態といえますが、さらに腎機能が悪化すると血中の副甲状腺ホルモンが上昇して皮質骨の骨吸収が促進されて大腿骨頚部骨折が生じやすくなります。さらにCKDの骨病変には特殊な尿毒症性骨粗鬆症という特殊な病態も含まれることから、今後病態別の治療を行うことが求められます。CKDを伴う骨粗鬆症の治療についてはビタミンDが不足しないように活性型ビタミンD3製剤を投与する必要がありますが、その他の治療薬も含めて腎機能が低下しているので投与量やカルシウムの血中濃度に注意が必要です。また長期透析に伴って透析の長期化でベータ2ミクログロブリンが蓄積されるとアミロイドが形成され脊椎に沈着すると脊柱管狭窄や骨破壊による破壊性脊椎関節症が生じます。破壊性脊椎関節症には椎体終板(椎間板の近接した部位)から発症して全周性に広がり椎間不安定性が生じる椎体終板発症型と椎間関節の骨浸食、破壊により後方要素が破綻して椎間不安定性が出現する椎間関節発症型があります。透析5年以上の検討では破壊性脊椎関節症は頚椎で78%、腰椎で88%と効率に出現し、頚椎の環軸椎(第1、2頚椎)の骨嚢腫が20−30%に出現し、進行すると脊椎の不安定性、麻痺により手術が必要となり、通常の脊椎手術より難易度は高く、骨量や骨質の管理や内科医との協力による厳密な全身状態の管理が必要になります。