山口中央リウマチ研究会

6/29山口中央リウマチ研究会で京都大学伊藤宣先生の 関節リウマチ足の治療ー薬物治療と手術治療ーのご講演を拝聴しました。静岡の磐田市ご出身でジュビロ磐田の紹介から始まり引き込まれました。京都大学リウマチセンターのご紹介と生物学的製剤の特徴も興味深かったです。リウマチの炎症が寛解しても足の関節の炎症が残存していることもあり、足の変形、痛みなどは日常生活動作に影響を与え、特に前足部では外反母趾変形は日常生活動作に影響を与え、後足部では距骨下関節が高頻度に破壊され、その後足関節変形が進行し下肢機能に影響するそうです。また足関節の破壊と骨密度の相関もあるとのことでした。足底板や靴、足趾の運動療法の重要性もお話されました。関節内ステロイド注射も最近見直されてことそうです。足の治療で前足部は切除関節形成術、関節固定術(母趾のみ)、関節温存手術(変形再発低いが長期成績安定)の長所と短所、合併症で創治癒遅延があります。後足部は関節固定術で髄内定と創外固定術がありそれぞれ長所と短所があり、人工関節形成術は可動域が保たれる長所がありますが長期成績は虚血性緩みなどの欠点もあり、よりよい人工関節の開発を期待されるとのことでした。特に関節リウマチの人工関節手術は通常の人工関節手術より難しく経験が豊富な施設が成績がよいそうです。
関節リウマチと下肢手術というディスカッションがあり山口赤十字病院整形外科の加茂先生と山口県立総合医療センター整形外科の椎木先生が症例提示を行いました。加茂先生は関節エコーを用いて関節滑膜炎の状態を把握されており、生物学的製剤と免疫抑制剤でコントロールが不良となったため関節鏡視下滑膜切除術をされた後に症状改善した後に骨破壊が進行発表され人工股関節を行った症例を報告されましたが専門の先生方からは様々な意見が出され治療の難しさを実感しました。

 

この記事を書いた人

とよた整形外科クリニック 理事長

豊田 耕一郎

山口大学医学部、山口大学大学院卒業後山口大学医学部附属病院、国立浜田医療センター、小野田市立病院、山口大学医学部助教、講師を経て山口県立総合医療センターで脊椎手術、リハビリ部長を兼任後、2012年4月からとよた整形外科クリニックを開院。
専門性を生かした腰痛、肩こりの診断、ブロック治療、理学療法士による運動療法、手術適応の判断を迅速に行うことをモットーとし、骨粗鬆症、エコーによる診断、運動器全般の治療に取り組んでいます。